2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670249
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
津田 良夫 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (20207393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢辺 京子 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (10215923)
高木 正洋 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60024684)
江下 優樹 大分医科大学, 医学部, 助教授 (10082223)
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Keywords | ネッタイシマカ / デング熱 / 都市化 / 遺伝的変化 |
Research Abstract |
デング熱の流行地でデングウイルスに感染しデング熱の伝播に関与している蚊がどのような特徴を持っているかを調べるために,インドネシア・スラバヤ市のPetemon地区で成虫調査を実施した.しかしながら成虫密度が低く多数の成虫を短期間に捕獲することは非常に困難であることがわかった.そこで,デング熱媒介蚊の個体群動態の調査も兼ねて定期的に成虫を捕獲するためのトラップを考案した.成虫捕獲を目的とするトラップでは吸血のために飛来する成虫の誘引源として二酸化炭素が利用される.二酸化炭素の供給源としてはガスボンベに保管された液体二酸化炭素か固体の二酸化炭素(ドライアイス)が使われているが,これらの二酸化炭素源はデング熱が問題となっている熱帯地では入手が非常に困難である.そこで簡便に二酸化炭素を発生させるためにイーストによる生物発酵を利用し,これとCDC型のサクショントラップとを併用したトラップを考案した.このトラップを用いて横浜市の市街地で蚊の採集を行ったところ,デング熱媒介蚊のヒトスジシマカをはじめオオクロヤブカ,アカイエカ,ヤマトヤブカ,キンパラナガハシカなどが捕獲され,有用性が確かめられた.そこでこのトラップを8台準備しPetemon地区の8件の家で2ヶ月に一回連続した4日間の継続調査を実施した.その結果,ネッタイシマカ(10雌,34雄),ヒトスジシマカ (8雌,9雄),ネッタイイエカ(242雌,124雄)が捕獲された.これらのサンプルは冷凍で保存してあり,個体別に体内からのウイルス分離を試みる予定である.デング熱の場合はっきりした値は不明であるが,ウイルスを保持している個体の割合は個体群全体の1%に満たないと考えられるので,感染個体の形態的特徴を明らかにするには今回のサンプル個体数ではまだ十分ではなく雨季に集中的な調査を試みている.
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Yeast-generated CO2 as a convenient source of carbon dioxide for adult mosquito sampling.2004
Author(s)
Saitoh, Y., Hattori, J., Chinone, S., Nihei, N., Tsuda, Y., Kurahashi, H., Kobayashi, M
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Journal Title
Journal of American Mosquito Control Association 20
Pages: 261-264
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