2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670261
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中根 明夫 弘前大学, 医学部, 教授 (30164239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 富智 弘前大学, 医学部, 講師 (20261456)
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Keywords | MIF / リステリア / IL-10 / IFN-γ / TNF-α / コルチゾール / 下垂体 / 神経系 |
Research Abstract |
交感神経系とリステリア感染防御のクロストークについて、カテコラミンレセプターを介した細菌感染防御の調節機構を解析してきた。一方、免疫系と神経系を結ぶサイトカインとして注目されており、下垂体から分泌されるmigrati on inhibitory factor (MIF)がリステリア致死感染に増悪因子として関与することを明らかにした。本年度は、MIFの作用機序に関する解析を行い、以下の結果を得た。 1.リステリア感染防御に必須なサイトカインであるIFN-γおよびTNF-αの脾臓における産生が、抗MIF抗体投与群において対照群と比べ、感染早期では亢進していたが、対照群の致死前に相当する時期ではむしろ低下していた。 2.IFN-γあるいはTNF-α欠損マウスでは、抗MIF抗体投与の効果はなく、抗MIF抗体による致死回避作用は、IFN-γおよびTNF-α依存性であった。 3.リステリアによる斃死原因は肝障害を中心とする多臓器不全と考えられる。そこで、致死感染マウスのGOT, GPTを測定したところ、抗MIF抗体投与群において対照群と比べ有意に低下していた。 4.肝臓中のIL-10は、抗MIF抗体投与群において対照群と比べ有意に上昇しており、抗MIF抗体投与群における肝機能の正常化は、抗IL-10抗体の投与により、一部解除された。 5.MIFはコルチゾール分泌を抑制することが知られている。そこで、致死感染マウスの血中コルチゾールを測定したところ、抗MIF抗体投与群において対照群と比べ有意に低下していた。 これらの結果から、MIFは抗炎症性サイトカインの代表であるIL-10産生制御を介して、致死感染の病態形成因子として働くことが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Dong-Liang Hu: "Induction of emetic response to staphylococcal enterotoxins in the house Musk Shew(Suncus murinus)"Infection and Immunity. 71・1. 567-570 (2003)
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[Publications] Hiroshi Sashinami: "Effective induction of acquired resistance to Listeria monocytogenes by immunizing mice with in vivo-infected dendritic cells"Infection and Immunity. 71・1. 117-125 (2003)
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[Publications] Mayuko Mizuki: "Comparison of host resistance to primary and secondary Listeria monocytogenes infections in mice by intranasal and intravenous routes"Infection and Immunity. 70・9. 4805-4811 (2002)
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[Publications] Sanae Sasaki: "Role of gamma interferon and tumor necrosis factor-alpha in shiga toxin lethality"Microbial Pathogenesis. 33・1. 43-47 (2002)