2001 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法による病原菌の新しい同定法に関する基礎的・臨床的研究
Project/Area Number |
13670264
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤田 信一 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (00115271)
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Keywords | ユニバーサルプライマー / PCR / 同定 / 血液培養 / マイクロチップゲル電気永動 / 泳動パターン / Internal transcribed spacer / rRNA gene |
Research Abstract |
病原微生物のrDNAに挟まれた領域をユニバーサルプライマーを用いて増幅し、その泳動パターンをアガロースゲル電気泳動法とマイクロチップゲル電気泳動法により検討した。 1.グラム陽性菌62菌種241株のうち、Streptococcus属では1〜2本、Enterococcus属では2本のバンドを認めた。一方、S.aureusでは2〜6本のバンドが観察され、MSSA55株は24種類、MRSA51株は10種類に分類された。本法はMSSAとMRSAの鑑別のみならず、菌株の識別にも役立つ事が示された。Coagulase-negative Staphylococciも泳動パターンから菌種を決定することができた。 2.グラム陰性菌77菌種445株のうち、腸内細菌では2〜7本、ブドウ糖非醗酵グラム陰性菌では1〜2本のバンドを認めた。これらの泳動パターンは一部の細菌(E. coliとShigella spp.)を除き、属または種レベルで異なり、泳動パターン解析が菌種の同定に有効であった。 3.真菌の35菌種274株ではすべての菌種において明瞭な2本バンドを認め、本法が真菌の同定にも役立つ事が示された。 4.血液培養ボトルでは、グラム染色陽性の血液培養ボトル124検体のうちmixed floraの2検体を除く122検体において泳動パターンから菌種を同定することができた。 5.一般細菌686株から得られた613種類の泳動パターンをデータベースソフトであるファイルメーカープロに入力し、細菌同定用データベースを構築しつつある。 マイクロチップゲル電気泳動法は従来の泳動法よりも簡便・迅速(3時間以内)な新しい病原微生物の検出・同定法として価値があると思われた。
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Research Products
(1 results)