2001 Fiscal Year Annual Research Report
メタロプロテアーゼ毒素産生フラジリス菌のパソゲニシティーアイランドと病原性
Project/Area Number |
13670267
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
加藤 直樹 岐阜大学, 医学部, 助教授 (00108078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 はる 国立感染症研究所, 細菌血液製剤部, 主任研究官 (00273136)
田中 香お里 岐阜大学, 医学部, 助手 (20242729)
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Keywords | Bacteroides fragilis / トキシン / 生物活性 / 細胞変性 / メタロプロテアーゼ |
Research Abstract |
Bacteroides fragilisはヒトの腸内常在菌の最優勢菌の一種として良く知られているが,近年,株によっては,毒素(エンテロトキシン活性を持つ分子量約2万のメタロプロテアーゼ)を産生することが分かってきた。この毒素は小児の下痢症との関連が強く疑われており,また,成人におけるinflammatory bowel diseasesなどと何らかの関連があることも疑われている。今年度の研究成果は下記のごとくである。 1.まず,当施設保有のB.fragilis株から,メタロプロテアーゼ毒素(B.fragilis toxin,BFT)産生株を,毒素遺伝子(bft)検出用PCRで選択した。ついで,3種類のBFTサブタイプをPCRによるbft遺伝子型別から種別し,各サブタイプ15株を得た。得られた株を用いて,各BFTサブタイプ株の生物活性測定を下記のごとく実施した。また,BFT非産生15株もコントロールとして使用した。検討は液体培地での培養上清を用いて行った。 2.培養細胞であるHT29細胞を用いた細胞変化の検討では,BFT-1型がBFT-3型よりやや強い効果を有していた。 3.ゼラチン液化試験では,BFTの型やBFT非産生株において特に差はなく,全株が弱い活性を示した。 4.Azocasein分解能の検討では,限外濾過を行い,培養上清を濃縮したもので,一部活性が認められたが,サブタイプによる大きな差は認められなかった。 5.Q-Sepharose,Phenyl-Sepharose,MonoQを用いたBFTの精製はほぼ確立できたが,より回収率の良い方法を求めて,現在方法の改良中である。精製毒素の各種生物活性は来年度実施する予定である。
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