2001 Fiscal Year Annual Research Report
ベントDNAによる転写促進の機構ならびにその応用に関する研究
Project/Area Number |
13670274
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
片山 誠一 岡山理科大学, 理学部, 講師 (70169473)
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Keywords | Clostridium perfringens / ホスホリパーゼC / 転写調節 / phased A-tracts / ベントDNA / RNAポリメラーゼ / αサブユニット |
Research Abstract |
ウェルシユ菌ホスホリパーゼC遺伝子(plc)のプロモーター上流の3つのphased A-tractsは折れ曲がり(ベント)構造を形成し、RNAポリメラーゼ(RNAP)との接触を強めることにより、低温依存的に転写活性を促進する。このphased A-tractsがRNAPのどの部位と結合するのかまたその分子間相互作用のメカニズムを明らかにするため平成13年度は以下のように研究を進め成果を得た。 3つのphased A-tractsとplcプロモーターを持つDNA断片(3Ap)と精製したウェルシュ菌RNAPαサブユニット(α,315aa)、αサブユニットのN末端ドメイン(αNTD,228aa)、C末端ドメイン(αCTD,79aa)を25℃で15分間共存させ、gel retardation assayを行った。αとαCTDは3Apに結合したが、αNTDは結合できなかった。次にヒドロキシルラジカルフットプリンティングによりα、αCTDはphased A-tractsを含む領域(-64〜-37)に結合することが明らかになった。またこのパターンからRNAPαサブユニットがC末端ドメインを介してphased A-tracts DNAのminor groovesに結合することが示唆された。次にRNAPαサブユニットと蛍光ラベルしたphased A-tracts DNAとの見かけの結合定数(K_<app>)を蛍光偏光度測定により算出した。反応温度を45℃から25℃に下げると(K_<app>)値は約1/7に減少した。以上のことから、低温での転写促進の主な原因は、phased A-tractsとRNAPαサブユニットの親和力の増加によるものであることが明確になった。(Katayama, S. et al. 2001. FEBS Letters509(2):235-238.)
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Research Products
(1 results)