2001 Fiscal Year Annual Research Report
センダイウイルスのインターフェロンシグナル伝達阻害機構
Project/Area Number |
13670294
|
Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
後藤 敏 福井医科大学, 医学部, 助教授 (00211920)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 健司 福井医科大学, 医学部, 助手 (40236419)
小松 孝行 福井医科大学, 医学部, 助手 (20215388)
|
Keywords | パラミクソウイルス / インターフェロン / シグナル伝達 / アクセサリー蛋白質 / C蛋白質 / STATs / 免疫回避 |
Research Abstract |
1、センダイウイルス(SeV)C蛋白質発現細胞の樹立 C蛋白質の単独発現細胞を樹立した。これにより、SeVのインターフェロン(IFN)シグナル伝達阻害機構の主役は、C蛋白質であり、C蛋白質以外のウイルス蛋白質は必要でないことを確認した。 2、リン酸化チロシン(pY)STATs蓄積現象の解析I FN-α/β、IFN-γのどちらに対しても、SeV感染細胞はIFN不応答の状態となるが、感染初期にはSTATsのpY化が抑制されていた。この段階でのC蛋白質の発現量は極めて少なく、そのような量でもpY化抑制が認められることから、pY化抑制は感染初期に重要な役割を果たしていると考えられた。一方、IFNにより感染細胞を持続的に刺激すると、添加後数時間からpY-STATsレベルの上昇がみられ、その後pY-STATsが長時間検出される。通常、非感染細胞では、脱リン酸化過程が働き、pY-STATsのレベルの上昇は一過性で数時間後には消失する。この感染細胞におけるpY-STATs蓄積現象は、STATの脱リン酸化過程の阻害によって生じることを明らかにした。また、SeV感染によるStat1セリンリン酸化抑制現象によって、IFNシグナル伝達の阻害を説明することはできなかった。リン酸化に対するSeVのこれらの影響は、すべてC蛋白質の機能であった。これらの結果から、STATsリン酸化過程の下流に、より本質的な阻害機構が存在することが明らかとなった。 3、高分子Stat1複合体の解析 感染細胞extractのStat1やpY-Stat1は低塩濃度のbufferの中で高分子複合体になる。この高分子複合体形成に関わるウイルス因子がC蛋白質であることを明らかにした。下流の第2の阻害機構へのこの高分子複合体形成の関与が注目される。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Komatsu, T., et al.: "Sendai virus C protein impairs both phophorylation and dephosphorylation processes of Stat1"FEBS Letters. 511(1-3). 139-144 (2002)
-
[Publications] Gotoh, B., et al.: "(minireview)Paramyxovirus accessory proteins as interferon antagonists"Microbiology and Immunology. 45. 787-800 (2001)
-
[Publications] Takeuchi, K., et al.: "Sendai virus C protein physically associates with Stat1"Genes to Cells. 6. 545-557 (2001)