2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670307
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
森川 裕子 北里大学, 北里生命科学研究所, 教授 (20191017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百瀬 文隆 北里大学, 北里生命科学研究所, 助手 (90332204)
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Keywords | 酵母 / ウイルス / 粒子形成 / 宿主因子 / 細胞内輸送 |
Research Abstract |
我々はヒト免疫不全ウイルス(HIV)の主構造蛋白であるGag蛋白を発現させた酵母細胞からのウイルス様粒子(VLP)出芽系を確立している。本研究では、ウイルス粒子形成に関与する可能性が示唆されている宿主因子(細胞骨格蛋白質やエンドソーム輸送蛋白質など)の欠損あるいは変異酵母細胞株を用いて、それら宿主因子がHIV粒子形成出芽の真の責任分子であるか否かを検証するとともに、その分子機構を解析した。 1)細胞骨格蛋白質(アクチン) 多くのウイルス蛋白の細胞内輸送や粒子形成出芽に細胞骨格蛋白(アクチンやチューブリン)の関与が古くから示唆されている。これを検証する目的で、アクチンに点変異をもつ酵母細胞株20株(米国、Drubin博士より分与)を用いて調べたところ、アクチン第2ドメインの点変異によりHIV-1 Gag蛋白は細胞質内の膜画分にmis-targetingし、VLP産生量が低下することを見いだした。 2)エンドソーム輸送経路 近年、レトロ科・フィロ科・ラブド科ウイルスでは、粒子出芽の責任宿主因子としてエンドソーム輸送経路の蛋白質(TSG101,Nedd4,AP50など)が注目されている。そこで、Pep12(前期エンドソームのt-SNARE)、Vps23(後期エンドソームの輸送蛋白質TSG101の酵母ホモログ)、Vam3(リソソームのt-SNARE)のそれぞれを欠損させた酵母細胞株(米国、Emr博士より分与)を用いて調べたところ、Pep12欠損細胞ではVLP産生量の低下が、Vps23欠損細胞ではVLP産生量の増加が観察された。Vam3欠損細胞では不変であった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Sakuragi, T.Goto, K.Sano, Y.Morikawa: "HIV type 1 Gag particle budding from Saccharomyces Cerevisiae"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 99. 7956-7961 (2002)
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[Publications] M.Nermut, W.H.Zhang, G.Francics, F.Ciamporx, Y.Morikawa, I.Jones: "Time course of Gag protein assembly in HIV-1-infected cells : a study by immunoelectron microscopy"Virology. 305. 219-227 (2003)
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[Publications] F.Momose, T.Naito, K.Yano, S.Sugiyama, Y.Morikawa, K.Nagata: "Identification of Hsp90 as a stimulatory host factor involved in influenza virus RNA synthesis"J. Biol. Chem. 277. 45306-45314 (2002)
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[Publications] Y.Morikawa: "HIV-1 capsid assembly"Current HIV Res.. 1. 1-14 (2003)