2002 Fiscal Year Annual Research Report
医学教育における医学統計学の教育改善について〜医学系学術論文で用いられる統計解析手法からみて〜
Project/Area Number |
13670331
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村松 宰 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10109423)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 克巳 筑波大学, 医学専門群社会医学系, 教授 (10101312)
|
Keywords | 医学統計学 / 疫学 / 医療情報学 / ノンパラメトリック検定 / 多重ロジスティック回帰分析 / コッカスハザード回帰モデル |
Research Abstract |
1)国内外主要医学学術雑誌で仮説検証に統計解析処理が用いられている医学雑誌を収集し統計解析手法別に使用頻度を調査し内外の量的・質的な差異を明らかにしつつある。 2)論文収集の方法:外国文献の収集は海外の主要な欧文医学雑誌はコピーの郵送やインターネット通信や文献検索システムを利用して、国内外医科大学の蔵書の複写やインターネット検索により、国内雑誌は医科大学、研究所所有の雑誌は複写、郵送により収集した。 3)国内・国外の医師養成施設における医学統計学に関する教育カリキュラムの実態や実情を調査し、問題点を整理し、我が国の医学教育カリキュラムと比較した。 4)平成14年度は主に国内外の医学教育カリキュラムにおける医学統計学の講義や演習の実情を調査した。その結果、次の成績が得られた。 (1)対象:日本の医師養成施設は80医科大学、米国の医師養成施設は100医科大学。(2)日本で医学統計学として独立した教科目があるのは20%、米国では90%近くがBiostatisticsやMedical Statisticsとして教えられていた。(3)日本では医学統計学以外に疫学や医学情報学の講義名で統計学教育を行っている大学が多くみられた。(4)シラバスの比較では統計学や医学情報学、疫学のkey wordの種類の多さと使われる頻度は圧倒的に米国が優り、日本の医学統計学の教育の手薄さが明らかになった。(5)シラバスの内容で日本に比較して米国でより高頻度に使われるkey wordは多重ロジスティックモデル解析、コックスハザードモデル分析、ノンパラテストなどであり、日本ではt-検定、相関係数、x二乗検定であった。(6)統計解析ソフトが普及して誰もが難解な解析手法が利用できる今、日本の医学統計学教育の現況では結論をミスリードずる可能性が十分に高いことが考えられた。
|