2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670340
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Research Institution | KORIYAMA WOMEN'S UNIVERSITY & COLLEGES |
Principal Investigator |
紺野 信弘 郡山女子大学短期大学部, 家政科, 教授 (10045784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 正史 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (00271221)
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Keywords | 有機スズ化合物 / 神経毒性 / NMDA受容体 / トリブチルスズ |
Research Abstract |
船舶や漁網の防汚剤として、塗料に含まれる有機スズ(トリブチル(TBT),トリフェニル(TBT)化合物は内分泌撹乱物質、いわゆる環境ホルモンの一つとして、現在、その毒性が問題となっている。わが国ではTBT化合物は現在、船舶塗料としての使用が禁止されたが、国際的にはいまだ全面的に禁止されていないこともあり、高濃度の海洋汚染が報告されている。有機スズ化合物の主な毒性に、中枢神経毒性、免疫毒性があるが、今回は神経組織に存在するN-methyl-D-aspartateレセプターに及ぼすトリブチルスズ(TBT)の影響を動物実験により検討した。その結果125ppmのTBTを含む食餌を3週間投与したマウスの脳内NMDAレセプターにおいて、対照群に比べて特異リガンドの結合活性が低下するという成績が得られた。すなわち、TBTが脳内のこれら受容体の活性に影響を及ぼしている可能性が示唆された。NMDAレセプターは学習や記憶あるいは行動に関与する、生理的にも重要なレセプターであり、今回得られた知見は有機スズ化合物の、中枢神経毒性を知るうえで極めて重要であると考えられる。しかし5ppmや25ppm投与群では必ずしも影響が明瞭ではなかったことから、今後TBTの低濃度長期間曝露の神経系に及ぼす影響や母体曝露の胎児に及ぼす影響、いわゆる発達神経毒性などについてもさらに検討する必要があろう。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nobuhiro Konno: "Effect of tributyltin on the N-methyl-D-aspartate (NMDA) receptors in the mouse brain"Arch Toxicol. 75. 549-554 (2001)
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[Publications] Nobuhiro Konno: "The effect of in vitro and in vivo ethylenbis dithiocarbamate fungicides on NMDA receptors in rat brain membranes"Environ Health Prev Med. 6. 54-59 (2001)
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[Publications] 紺野信弘: "残留農薬の健康影響"福島県保健衛生情報. 12(1). 23-27 (2002)
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[Publications] 紺野信弘: "PCBs,ダイオキシン類及び有機スズ化合物の神経・免疫毒性"福島医学雑誌. 53(2). 143-155 (2003)
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[Publications] 紺野信弘: "有機リン系及びジチオカーバメイト系化学物質の神経毒性"日本衛生学雑誌. 57. 645-654 (2003)