2001 Fiscal Year Annual Research Report
高感度測定法による食物中フッ素濃度の測定と総フッ素摂取量の推計
Project/Area Number |
13670342
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
板井 一好 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10048572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野原 勝 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60285583)
小野田 敏行 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00254748)
岡山 明 岩手医科大学, 医学部, 教授 (60169159)
小栗 重統 岩手医科大学, 医学部, 講師 (60316354)
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Keywords | フッ素 / フローインジェクション / パイロハイドロキシス / イオン電極 / 標準物質 / 精度管理 |
Research Abstract |
フッ素は最も測定の困難な元素の一つに数えられ、食品中のフッ素濃度も報告者よって大きくばらついている。当研究室で開発したフッ素測定装置は、一つは食品を始めとしたさまざまな試料を前処理なしに装置内に導入し、酸素ガスと水蒸気を供給しながら1050℃の高温化で燃焼分解し、気化したフッ素を水蒸気で加水分解してた後に水蒸気とともに冷却して凝縮水中にフッ素イオンとして回収するものである(パイロハイドロキシス)。もう一つは、回収した水溶液中のフッ素イオン濃度を測定する装置で、フッ素イオン電極を検出器とするフローインジェクション装置である。この二つの装置を用いることで、有機フッ素化合物やフッ化ナトリウムはもちろん、最も耐熱性であるフッ化カルシウムからもフッ素を100%回収することを確認した。 本年度は本装置を用いて、まず、さまざまな標準物質中のフッ素濃度を測定した。セレンや亜鉛などの濃度を保証した標準物質は多くあるものの、フッ素濃度の保証値の示された標準物質があれば精度管理に使用できるが、フッ素に関する保証値の示された標準物質はNISTの尿だけである。測定結果は、NISTのOrchard Leavesは5.39±0.27μg/g(n=15)で、変動係数が5%と良好な精度であった。なお、Orchard leavesについては参考値として4μg/gが示されている。測定結果はこの参考値よりもやや高い値を示した。その他、Apple leaves(4.45±0.13μg/g)、Bovine liver(0.12±0.01μg/g)、Rice flour(0.73±0.01μg/g)、Tomato leaves(15.3±O.1μg/g)という結果であった。これらを精度管理に使用して、来年度は食分中のフッ素濃度を測定したい。
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