2003 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン曝露労働者の発がんリスク評価方法の確立
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13670349
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
小川 康恭 独立行政法人産業医学総合研究所, 作業条件適応研究部, 部長 (60167319)
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Keywords | 清掃工場労働者 / ダイオキシン / 酸化的DNA損傷 / 8-OHdG / がん予防 |
Research Abstract |
ダイオキシンは様々な毒性を持っているが特にその発がん性に関しては非常に恐れられている。一方、酸化ストレスが発がん性に強く関連していることは近年広く認められてきている。そことで、酸化ストレスがダイオキシン曝露労働に過剰に誘発されるか否かを調べることはダイオキシンによる発がんを予防する上でも非常に重要となる。本研究の目的は、酸化ストレスレベルを測定し発がんリスクを評価する方法を確立することである。この課題を達成するためには、1)ダイオキシン曝露量及び2)酸化ストレスレベルを適切に評価し、3)それらを疫学研究に適応できることを確認しなければならない。 1)清掃工場労働者ダイオキシン曝露代替指標の確立:調査対象となる工場の概要からどのような仕事が焼却飛灰に曝露する可能性が高いかをあらかじめ調べておき、そのうえで職歴調査を実施し、炉内及び電気集塵器内の作業、飛灰の固化作業などのあらゆる業務の経験の有無と従事期間を一人一人から聴取した。その職歴調査から焼却飛灰への曝露の可能性と曝露した月数を調べた。調査労働者をそれぞれ焼却飛灰高曝露群、低曝露群、曝露なし群に分類し、各群の一部の人より血液を採取し血中ダイオキシン濃度を測定した。この職歴から評価した焼却飛灰曝露指標が血中ダイオキシン濃度と相関があるか検討した結果、焼却飛灰への曝露の月数が多い労働者ほど血中のダイオキシン濃度が高い傾向にあることを見出した。このように焼却飛灰曝露期間が血中ダイオキシシ濃度と相関があったということにより、本研究で行った職歴調査による評価方法をダイオキシン曝露の代替評価法として利用することが可能であるということが証明出来た。 2)酸化ストレス状態評価法の確立:リンパ球中ゲノムDNAの酸化的損傷を電気泳動で検出するシステムを確立した。また、尿中酸化的DNA損傷物質のELISA法を用いた簡易測定法の妥当性検討を行い、高度な技術及び機器がなくても定量性良好な測定ができることを検証し広く疫学研究に使用できることを示した。また、標的物質の再現性を検討し、それが良好であることを示した。 3)清掃工場で働く労働者集団において数種類の酸化ストレス指標を用いて解析したところ尿中の8-OHdG測定値は焼却飛灰へ曝露する可能性の高い作業に従事する期間が長くなるに伴い増加する傾向が有意であった。焼却飛灰への曝露が体内で酸化ストレスを誘発している可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yoshida R et al.: "Associations between oxidative stress levels and total duration of engagement in jobs with exposure to fly ash among workers at municipal solid waste incinerators"Mutagenesis. 18. 533-537 (2003)
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[Publications] Takata T et al.: "Survey on the health effects of chronic exposure to dioxins and its accumulation on workers of a municipal solid waste incinerator, rural part of osaka prefecture, and the results of extended"Industrial Health. 41. 189-196 (2003)
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[Publications] 小川康恭: "ダイオキシン類の物性及び毒性"空気清浄. 40. 408-413 (2003)
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[Publications] Yoshida R et al.: "Urinary 8-oxo-7,8-dihydro-2'-deoxyguanosine values measured by an ELISA correlated well with measurements by high-performance liquid chromatography with electrochemical detection"Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention. 1076. 1076-1081 (2002)
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[Publications] 小川康恭: "ダイオキシン類の生態影響"セイフティダイジェスト. 47. 2-9 (2001)
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[Publications] Yoshida R et al.: "In isolated DNA, formamidopyrimidine-DNA glycosylase-sensitive sites determined by electrophoresis correspond to the amount of 8-oxo-7,8-dihydro-2'-deoxyguanosine by HPLC-ECD"Mutation Reaserch. 494. 55-61 (2001)
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[Publications] 小川康恭: "廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策-作業指揮者テキスト-"中央労働災害防止協会. 130 (2001)