2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670353
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
渡邉 倫子 秋田大学, 医学部, 助手 (00273699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中込 とよ子 秋田大学, 医学部, 助手 (40155693)
中込 治 秋田大学, 医学部, 教授 (70143047)
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Keywords | ロタウイルス / 疾病負担 / 急性下痢症 / 出生児コホート / 重症下痢症 |
Research Abstract |
わが国ではロタウイルス下痢症が軽い病気であると考える風潮があが、これは多分に感覚的なもので、本症による入院患者が年間何人いるかという疾病負担を評価した上での話ではない。本研究では、ロタウイルスワクチンが必要であるか否かという議論を念頭において、地域全体の中で、出生児のコホートのうち何人が、生後2年以内にロタウイルスによる重症下痢症により入院するのか、という推定値を得ることを目的とした。平成13年度では、研究の基礎として秋田県大館市にある総合病院が、大館市および周辺地域での小児下痢症入院患者(重症下痢症の指標)の大部分を扱っていること、したがってここを拠点にすれば、出生児コホートを対象にした疾病負担の評価ができるという計画が可能であることを確認した。さらに、この総合病院において急性下痢症で入院する5歳未満の全症例を対象に、(1)急性下痢症の重症度の『症状スコア』による評価と(2)急性期の便検体からラテックス凝集反応によるロタウイルスの検出を行う実施計画をスタートさせた。暫定的な集計では5歳未満のコホート約5000人のうち19人が下痢症で入院し、そのうちの8人がロタウイルス下痢症であった。したがって予備的な推定として、5歳に達するまでに125人に1人がロタウイルス下痢症により入院すると計算された。
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