2002 Fiscal Year Annual Research Report
医薬分業における医薬品チェック機能に対応した診療報酬制度の検討
Project/Area Number |
13670355
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Research Institution | The Univesity of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 廉毅 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70178341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 敬 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (40272421)
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Keywords | 医薬分業 / 医薬品 / 重複投与 / 相互作用 / 保険薬局 / 医療保険 / 診療報酬 |
Research Abstract |
医薬分業の主要な意義である薬局における処方薬の重複投与・相互作用のチェック機能につき、東京都の全保険薬局を対象とした調査、ならびに一健康保険組合のレセプトの分析により検討した。調査の結果、東京都の保険薬局において、医療保険における重複投与・相互作用防止加算を算定した処方せんの事例は、1か月間で少なくとも1件請求したものがあわせて101例であった。請求回数については1回のみが56例、2回のみが32例、3回以上が11例、不明2例であった。請求件数は全部で169件であり、内訳は重複投与防止が123件、併用注意・併用禁忌防止が32件、不明14件であった。これは対象薬局が応需した処方せん総数の0.0088%に相当する。これにより、保険薬局において薬剤の重複処方等を算定するケースはあまり多くないことが示唆された。重複処方が発見された薬剤は中枢神経系用薬、消化器官用薬、抗生物質の順に多かった。またいわゆる門前薬局と、それ以外の薬局における本加算の算定頻度に、統計的な有意差はみられなかった。薬局関係者からのインタビュー調査を加えたところ、算定が少ない理由として、医療保険の診療報酬における重複投与・相互作用防止加算請求時の制約条件による可能性が示唆された。重複投与・相互作用防止加算は、薬剤数を減らした場合にのみ請求でき、別の薬剤に変更した場合には請求できない。したがって診療報酬上の請求件数だけでは、重複投与・相互作用防止の実態を過小評価する可能性が明らかになった。健康保険組合のレセプト分析では、同時期に複数の医療機関を受診している患者の割合が4割を超えることが明らかになりた。今後、レセプト情報を用いた重複投与・相互作用防止のための継続的モニタリング・システムについて検討する必要があると思われた。
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Research Products
(1 results)