2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670358
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
玉腰 暁子 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90236737)
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Keywords | 膵がん / 症例対照研究 / 発生要因 / 喫煙 |
Research Abstract |
目的:膵がんは近年増加傾向にあるが、発生原因はほとんど明らかにされていない。そこで、population-based case-control studyによりライフスタイル要因と膵がん発生リスクの関連を検討する。 対象と方法:症例は名古屋大学医学部第2内科および関連病院(25施設)にて2000年1月以降新たに膵がんと診断された20-79歳の者とした。対照はあらかじめ選挙人名簿から無作為に抽出した者から、症例1例につき性、年齢、居住地をマッチさせた2例を選択し調査を依頼した。調査は保健婦による直接面接とし、身長、体重、年齢、学歴、喫煙、飲酒などの疫学情報を収集した。unconditional logistic modelを用いてオッズ比および95%信頼区間を算出し、各要因と膵がん発生リスクの関連の強さの指標とした。 中間成績:2002年2月までに収集された症例90例と対照157例について中間解析を行った。症例群は対照群より有意にBMI(肥満度)が低く、学歴では有意差を認めなかった。性、年齢を調整後、非喫煙者に比べて現在喫煙者のオッズ比は2.87(95%信頼区間:1.06-7.79)で有意に膵がん発生リスクを上昇させた。さらに、1日喫煙本数が多いほど(20-39本)、喫煙年数が長いほど(25-49年)、累積量が多いほど(40pack-years)、膵がん発生リスクが有意に上昇し、先行研究と同様に喫煙は膵がんのリスクファクターであることを支持する結果であった。非飲酒者と比較して現在飲酒者のオッズ比は1.25(95%信頼区間:0.66-2.35)で膵がん発生リスクとの間に有意な関連を認めなかった。コーヒーについては摂取頻度が高いほどオッズ比が上昇する傾向が認められたが、統計学的に有意でなかった。今後さらに症例と対照を増やし各要因と膵がんリスクの関連を詳細に検討する予定である。
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