2003 Fiscal Year Annual Research Report
転倒・骨折のリスク評価における下肢筋力、運動量および骨量の相関
Project/Area Number |
13670359
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
今本 喜久子 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60028389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 政彦 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10187974)
喜多 義邦 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80161462)
大町 弥生 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90269770)
日浦 美保 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助手 (60324571)
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Keywords | 後期高齢者 / 転倒・骨折 / リスク評価 / 重心動揺 / 超音波骨指数 / 下肢筋力 / バイタルサイン / 足背動脈血流 |
Research Abstract |
3年目のデータも春と秋の2回従来通り高齢者から採取した。75歳以上の在宅高齢者31名(男11名:女20名)と、同年代の施設入所者25名(男6名:女19名)であるが、それぞれのグループで数名からは入院その他の理由により採取できなかった。しかし、継続してのデータであれば、次回採取できれば経過の考察には問題ないと考える。3年間の測定データを用いて以下の点を学会発表した。 1.身体的基礎データ(身長・体重・体脂肪率・バイタルサイン)については、3年間に大きな変化は認められなかった。しかし、高齢者ほど身長の短縮が目立った。また、体重変化は小幅にも拘わらず、加齢にともない体脂肪率が高くなる傾向がうかがえた。 2.重心動揺計による総軌跡長をパラメーターとしたバランス感覚の変化に注目すると、男性では閉眼時に動揺の傾向が著明であり、加齢にともなう視力の低下がバランス感覚に影響することが推測された。女性では身長が低いせいもあってか閉眼時でも安定していた。加齢にともなう視力の悪化は男性ほどはバランス感覚に影響しないことが予想された。一方、2年間の女性の下肢筋力の低下は著明であったが、男性では著明な変化は認められず、加齢に伴う筋力の劣化においで性差は明確であった。 3.諸般の事情で、超音波による骨量測定は在宅高齢者のみに行ってきた。しかし、施設入所者の8名が骨量測定を是非にと希望したため、昨秋は施設高齢者にも実施し非常に喜ばれた。今後も年1回の実施を希望している。健康の自己管理のためにも継続したいと考える。 4.ほとんどの対象者の骨量は、4回の計測で減少傾向を示していたが、測定値を著明に上昇させた高齢者も3名いた。彼らはバランス感覚・下肢筋力もともによく維持しており、アンケート調査により定期的な運動習慣を持っている。運動習慣を維持することで骨量を上昇できた高齢者がいる事実は、骨量減少に生活習慣が深く関与することを裏付けており、骨粗鬆症の予防対策は、高齢者にまで対象を広げて効果を上げるべきであろう。 5.下肢の足背動脈の血流速度については、加齢に伴う明朗な変化は認められなかったが、著しく血流の流速波形が変化した数例で、動脈硬化の進行が推測され、その例では骨量の低下が認められた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 今本喜久子, 日浦美保, 大町弥生, 藤本悦子, 新穂千賀子: "後期高齢者の転倒・骨折予防のための基礎的研究--骨量・重心動揺・下肢筋力--"16回日本看護研究学会 近畿地方会抄録集. 24-25 (2003)
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[Publications] 赤澤仁美, 杉本真弓, 塩田裕美, 今本喜久子, 藤本悦子, 日浦美保: "高齢者の骨密度とバランス感覚の推移"形態・機能. 1巻 2号. 27 (2003)
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[Publications] 今本喜久子, 高田政彦, 喜多義邦, 赤澤仁美, 塩田裕美, 杉本真弓, 藤本悦子, 新穂千賀子: "高齢者の転倒と骨折リスク評価のための基礎的研究"日本解剖学雑誌2003. 78巻 Suppl. 179 (2003)
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[Publications] 今本喜久子, 大町弥生, 日浦美保, 藤本悦子, 新穂千賀子: "足背動脈の血流が踵骨の骨強度に及ぼす影響"第17回日本看護研究会近畿・北陸地方会学術集会抄録集. 36-37 (2004)
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[Publications] 藤本悦子, 北村文月, 黒木 瞳, 林 静子, 今本喜久子, 新穂千賀子: "足背動脈上でドプラー法により測定した血流速度・流速波形の加齢変化"形態・機能. 2巻 2号. 57 (2004)