2001 Fiscal Year Annual Research Report
働き盛りの循環器疾患罹患および死亡状況の把握と機能予後に関する研究
Project/Area Number |
13670361
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
喜多 義邦 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80161462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 保幸 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (20144371)
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)
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Keywords | 脳卒中 / 急性心筋梗塞 / 発症登録 / 罹患率 / 機能予後 / 生命予後 |
Research Abstract |
本研究はわが国の循環器疾患発症の動向を観察し、地域における有病者に対する介護需要を推定することにある。本年度は、滋賀県高島郡(人口約53000人)においてこれまでに実施してきた循環器疾患の発症登録研究の成績にさらに悉皆性を高めるための補完的登録調査(死亡小票、CT、MRI検査報告書、外来診療録等からの登録)を加えて1990年代前半(1990年〜1994年)の循環器疾患の罹患率を求めた。なお、この補完的な登録調査は本研究に参加している5医療機関全てにおいて実施することを計画しており、現在も継続中である。2002年3月1日現在において最も登録数の多い3つの医療機関において完了している。したがって、今回報告する循環器疾患の罹患状況に関する成績は暫定的な成績である。しかしながら、現在までのところ、補完登録によって追加された登録者数は全登録者数の約2%程度であり、補完作業が終了していない登録数の少ない医療機関の今後の成績を加えても補完登録による追加登録者の割合は2%〜3%前後と考える。 滋賀県高島郡において1990年から1994年までに登録された脳卒中の初発患者数は男性が253例、女性が213例の計466例であり、同地域の年平均発症者数は男性で50.6例、女性で42.6例、計93.2例であった。男性の脳卒中病型別の年齢調整罹患率は脳梗塞が人口10万人当り113.2、脳出血28.9、くも膜下出血9.1、脳卒中全体では153.1であった。女性では脳梗塞が90.3、脳出血27.5、くも膜下出血15.0であり、脳卒中全体では96.5であった。急性心筋梗塞の1990年〜1994年までの同地域における初発登録数は男性が65例、女性が31例の計96例であった。男性の年齢調整罹患率は人口10万人あたり41.5、女性では13.3であった。 以上より、滋賀県高島郡における1990年代前半の中年期男性の脳卒中罹患率および急性心筋梗塞罹患率は同年代の女性に比べて著しく高いことが明らかとなった。
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