2003 Fiscal Year Annual Research Report
ADHD・学習障害を含む配慮を必要とする子どもたちの診断と指導方法に関する研究
Project/Area Number |
13670364
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
小野 次朗 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20214182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江田 裕介 和歌山大学, 教育学部, 教授 (00304171)
橘 英彌 和歌山大学, 教育学部, 教授 (30066419)
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Keywords | 特別支援教育 / 非言語性学習障害 / アスペルガー症候群 / 注意欠陥多動性障害 / 就学前 / アメリカ |
Research Abstract |
1.K市における就学前児童がADHDを有する割合について 就学前児童(4歳児、5歳児)652人に関して、担当保育士にアンケート調査を行い、ADHDの有病率について検討した。アンケートは、DSM-IVのADHD診断基準を配布し、記入を依頼するとともに、ADHDに関する知識を聞く設問および自由記述からなっていた。上記児童652人のうち、ADHDの診断基準9項目のうち6項目以上で合致する児童は、9人(1.4%)であった(5歳児5名、4歳児4名)。一般には、ADHDの有病率は3〜5%と考えられており、その値よりも低かった。保育士は一様に判定の難しさを訴えており、今回割合が低くなった理由の一つであると考えられた。これらの結果から、就学前にADHDを集団で抽出することが困難であると考えられた。 2.アメリカにおけるアスペルガー症候群(非言語性学習障害)の生徒を対象とする高校の視察から アメリカでは、アスペルガー症候群の生徒だけを対象にした高校が存在する(オライオンアカデミー)。その指導理念およびカリキュラムについての検討を、視察も含めて行った。カリキュラムで特徴的であった3点について述べる。まず、毎週ロールプレイ方式で、生徒自身がいろいろな役を演じ、それを見ている生徒からの批評を受けるという内容であった。次に、プロジェクトという時間があり、生徒が興味を抱くテーマについて、情報収集、まとめ、他生徒の前で発表を行うものである。最後に、犬を用いて、非言語性の情報伝達の訓練を行っていた。すべて児童が苦手とする分野、ソーシャルスキル、情報処理、非言語性コミュニケーション、を強化するための方策であった。今後日本でも、同様の意図を持った教授内容が展開されていく場面があっても良いのではないかと考えられた。
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Research Products
(2 results)