2002 Fiscal Year Annual Research Report
チェルノブイリ原発事故の精神身体的影響に関する疫学調査
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13670372
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 義貞 長崎大学, 医学部, 教授 (40010954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 純久 長崎大学, 医学部, 助手 (90244053)
中根 允文 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80039833)
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Keywords | チェルノブイリ / 精神身体的影響 / General Health Questionnaire / 不安-抑うつ尺度 / 国際研究者交流 / ウクライナ |
Research Abstract |
チェルノブイリ原発周辺地域からキエフ市に避難した子供の身体的・精神的・社会的状況を測定し、その精神身体的影響の大きさを明らかにするとともに、原爆被爆者の調査結果と比較し、両者の共通点と特異点を識別し、放射線被曝による精神的影響の本質を明らかにすることを研究目的とする。チェルノブイリ30km圏内からキエフ市に避難してきた825人(男383人,女442人)を対象に、2000年と2001年にウクライナ放射線医学研究所と共同でGoldbergのGeneral Health Questionnaire 12項目質問紙(GHQ-12)と不安-抑うつ尺度を用いた精神的健康状態を調査した。GHQ-12の総得点が4点以上の者をGHQ-12高得点者,3点以下の者をGHQ-12低得点者として分析し、以下の結果を得た。 1.対象者の調査時平均年齢±標準偏差は、男16.3±1.2歳,女16.1±1.3歳であった。GHQ-12質問紙調査は全員が受け、GHQ-12高得点者は79人(9.6%)で、自律神経失調症および筋骨格・結合組織の疾患の頻度はGHQ-12高得点者の方がGHQ-12低得点者より有意に高く,オッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ、2.18(1.38-3.45)、1.59(1.00-2.53)であった。 2.不安-抑うつ尺度調査を受けた574人のうち、233人(40.6%)に不安状態が認められ、そのうち37人(15.9%)がGHQ-12高得点者であった。抑うつ状態が認められた209人(36.4%)のうち、GHQ-12高得点者は37人(17.7%)であった。不安状態が認められた者では、そうでない者に比べて自律神経失調症と神経症の頻度が有意に高く、オッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ、1.71(1.21-2.42)、3.70(1.67-8.18)であった。抑うつ状態についても同様であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 柴田義貞: "チェルノブイリ被災児における精神的健康状態と身体的健康状態の関連"日本公衆衛生雑誌. 49・10. 952 (2002)
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[Publications] Sumihisa Honda: "Mental health conditions among atomic bomb survivors in Nagasaki"Psychiatry and Clinical Neurosciences. 56. 575-583 (2002)
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[Publications] 本田純久: "長崎原爆被爆者の生活状況と健康状態"長崎医学会雑誌. 77. 270-273 (2002)