2002 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣と遺伝子診断に基づく発癌危険度予測-生活習慣の行動変容をめざして-
Project/Area Number |
13670374
|
Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
加藤 貴彦 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (70169506)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 嘉紀 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (50234620)
|
Keywords | シトクロームP450 / ビタミンDレセプター / 遺伝子多型 / 分子疫学 / 個体差 / 尿路上皮癌 / 腎細胞癌 |
Research Abstract |
1.腎細胞癌90症例、病院受診者非癌コントロール192例を用い、ビタミンDレセプター(VDR)の遺伝子多型と腎細胞癌発生との関連性について疫学的に解析した。その結果、exon9、コドン352番目の多型(TT型)が腎細胞癌発生の遺伝的背景となっている可能性が示唆された(オッズ比2.1)。また、TT型は、血中1,25-D濃度が低値を示した。 2.喫煙中に含まれる芳香族アミンは代表的な癌原性物質であり、フェノール硫酸転移酵素ST1A3(TS-PST)やN-アセチル転移酵素(NAT2)によって代謝される。尿路上皮癌306症例、健常者コントロール297例を用い、ST1A3のアミノ酸置換を伴う遺伝子多型(R213H)とNAT2(迅速・遅延型)の遺伝子型、尿路上皮癌感授性、さらに重要な環境曝露要因である喫煙との関連性を疫学的に解析した。ST1A3遺伝子多型の頻度に関し、尿路上皮癌患者群と健常者群の間には統計学的な有意差は認めなかった。しかし、NAT2中間型、遅延型の割合は、それぞれ尿路上皮癌患者群44.4%、12.7%、健常者群39.2%、5.2%であり、統計学的に有意差が認められた(OR:1.49,95%CI:1.06-2.09,OR:3.23,95%CI:1.72-6.08)。 3.遺伝子解析と行動変容に関する調査研究を行うための職域フィールドの設定をした。飲酒と関連性が深いアセトアルデヒド代謝酵素(ALDH2)の遺伝子型を本人に返すことに関し予備調査を実施した。その結果、1442名中812名(56.3%)が結果を知りたいと回答し、知りたくないと回答したのは、1442名中103名(7.1%)であった。知りたい理由は、男性は自分の許容範囲を知りたい70.9%、将来の病気予防42.5%、女性では、自分の許容範囲を知りたい59.5%、興味がある48.6%の順に多かった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Takashi Hamasaki: "Signiflcance of Vitamin D receptor gene polymorphism for risk and disease severity of prostate cancer and benign prostatic hyperplasia in Japanese"Urol Int. 68. 226-231 (2002)
-
[Publications] Hiromasa Tsukino: "Genetic polymorphisms of CYP2A6 and CYP2E1 with Tobacco smoking is not associated with risk of urothelial cancer"Environmental Health and Preventive Medicine. 3. 129-131 (2002)
-
[Publications] Hiromasa Tsukino: "Effects of cytochrome P450 (CYP) 2A6 gene and CYP2E1 genotype on gastric adenocarcinoma"Int. J. Cancer. 100. 425-428 (2002)