2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者自殺の抑制・促進にかかわる心理・社会的要因の検討
Project/Area Number |
13670375
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
名嘉 幸一 琉球大学, 医学部, 教授 (90117581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 直樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (40202428)
和氣 則江 琉球大学, 医学部, 助手 (90315474)
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Keywords | 高齢者 / 自殺 / 生きがい / 長寿 / 抑うつ / メンタルヘルス / ソーシャルサポート |
Research Abstract |
本研究は日本で最も自殺死亡率の高い秋田県と、日本で最も高齢女性の自殺死亡が少ない沖縄県の両地域において同一の質問紙を用いて高齢者の心の健康に関する調査を行い、比較検討を加えたものである。秋田県の調査では自殺を促進させる要因、沖縄県の調査では自殺を抑制させる要因の抽出が主であり、さらに世界的に長寿で知られる沖縄県の高齢者の生活から"自殺予防"と"心の健康増進"についての情報を発信することをも目的とした。 対象は秋田県では65歳以上の地域住民1425人、沖縄県では生活支援事業を利用している65歳以上の地域住民160人である。方法は質問紙による調査で、調査内容はソーシャルサポートや抑うつ尺度(CES-D)、IADLなどである。 結果:家族形態で三世代同居の割合が秋田では52.9%に対し沖縄では20.3%、独居は秋田では6.7%に対し沖縄では27.5%であった。またストレス対処行動では秋田では"じっとたえる"26.3%が全国(厚生省、保健福祉動向調査平成12年)の2.5倍と高かった。抑うつ尺度(CES-D)では16点以上の抑うつ傾向は秋田では25.4%に対し沖縄では20.3%、21点以上は秋田では13.3%に対し沖縄は7.6%であった。また重回帰分析によるCES-D関連要因は秋田では息子らとの同居、社会的役割、家族以外の情緒的サポート、民俗慣習(講中)の加入の有無に関することがみられたが、沖縄では睡眠状況や持病数といった健康に関することや家族からのサポートが関連要因であった。また秋田では三世代同居と独居者を比較した場合、後期高齢期では自立度が有意に低下していた。一方、沖縄では62.6%が友人と毎日交流しているなど地域でのサポートがみられた。これらのことから高齢女性においては良好な人間関係が心の健康にとってより重要であることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 名嘉幸一: "沖縄県における自殺の現状と予防対策-疫学的研究から-"第24回沖縄精神神経学会シンポジウム. (2003)
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[Publications] 瀧澤透, 名嘉幸一, 和気則江, 渡辺直樹, 田口学: "秋田県南部一農村における高齢者のストレスについて"第44回日本心身医学会総会抄録集(心身医学). 43巻. 233 (2003)
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[Publications] 瀧澤透, 名嘉幸一, 和気則江, 有泉誠, 渡辺直樹, 田口学: "高齢者の主観的幸福感に与える環境要因について"女性心身医学会誌. 第8号(1). 47 (2003)
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[Publications] 名嘉幸一: "世界の最長寿地域沖縄の高齢女性のメンタルヘルス"女性心身医学会誌. 第8号(3). 261-266 (2003)
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[Publications] 瀧澤透, 渡辺直樹, 田口学, 竹之下由香, 名嘉幸一, 和気則江, 有泉誠: "秋田県南部一農村における高齢者の抑うつとその関連要因について"第52回東北公衆衛生学会. (2003)
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[Publications] Tohru Takizawa, Kouichi Naka, Norie Wake, Naoki Watanabe, Manabu Taguchi, Seizou Sakihara, Makoto, Ariizumi: "The Relationship between Social Support, Residential Form, Health and Subjective Well-being of some Elderly Peole in a Farming Village in Japan"Association for Geriatric Psychiatry 17^<th> Annual Meeting. Abstract. 21-24 (2004)