2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670382
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
勝井 則明 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70161073)
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Keywords | ネブライザー / 微生物汚染 / 院内感染 / エアロゾル |
Research Abstract |
ネブライザーの微生物汚染に起因する院内感染の防止を目的として、各種の細菌汚染実験を行い、対策としてどのような点にポイントを置くのが効果的かを検討した。ネブライザーの主流であるジェット式および超音波式について、代表的な汚染指標菌であるP. f1uorescens、B. cepacia、S. marcescens、L. pneumophilaを用いて実験を行い、次のような結果が得られた。 1.汚染ネブライザーを作動させたところ、ジェット式は超音波式に比べて、エアロゾル中およびネブライザー部品の汚染菌数が共に著しく高い値を示し、その要因として、発生するエアロゾルの粒径の相違が強く示唆された。 2.細菌汚染を受けた蛇管や鼻管を使用しても、そこからの汚染菌の飛散は認められなかった。また、蛇管洗浄後の残存水中の汚染菌の増殖は認められないか、あるいは非常に緩慢で、それらの菌は蛇管の乾燥により容易に死滅させることができた。 3.エアフィルターからの汚染菌の飛散は認められなかった。 4.ネブライザー部品の消毒は、0.1%テゴー51、消毒用エタノール、0.1%次亜塩素酸ナトリウム等の通常の消毒剤の常温15分間処理により、十分な殺菌効果が得られた。 以上の結果より、ネブライザーの汚染対策としては、エアロゾル発生箇所である薬液槽の消毒と、薬液自体の管理が重要であり、蛇管やエアフィルターが直接の感染源になる可能性は低いと考えられる。
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Research Products
(1 results)