2002 Fiscal Year Annual Research Report
地域における三次予防の技術開発に向けた後天性脊髄性運動麻痺の疫学研究
Project/Area Number |
13670390
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Research Institution | Toho University School of Medicine |
Principal Investigator |
熊倉 伸宏 東邦大学, 医学部, 教授 (60134524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 一成 東邦大学, 医学部, 講師 (10266083)
高柳 満喜子 東邦大学, 医学部, 講師 (00057671)
長谷川 友紀 東邦大学, 医学部, 助教授 (10198723)
矢野 英雄 富士温泉病院, 副院長
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Keywords | 質的研究 / Long Interview / 障害 / 当事者間情報伝達 / 生活満足度 / 脊髄損傷 / ポリオ / 経時的視覚アナログ尺度 |
Research Abstract |
前年度後半より開始した、生活満足度改善に関する質的研究(研究2のインタビュー調査)をさらに進めた。手法としては、Long Interview法を用いた。研究では、まず、対象者の基準をさらに詳細に決定し、目的指向的に対象者の選択を行った。研究1の結果から、ポリオ患者では発症後30年以上が経過し、かつ生活満足度VASTが改善型であった者、脊髄損傷者では受傷後15年以上が経過し、かつ生活満足度VASTが改善型であった者を選択した。該当するポリオ患者は51人、脊髄損傷者47人となった。そのなかから、その他の質問項目の傾向や、地理的・日程的条件の合致する者を抽出し、結果として、ポリオ患者・脊髄損傷者各10人、計20人がインタビューの対象となった。 前年度に作成したインタビューガイドに従って、4月末から5月初旬には各疾患1人ずつにプレ・インタビューを行った。7月から8月にかけて各疾患9人ずつにインタビューを行った。インタビュー場所は、対象者の希望を優先し、対象者の自宅や入所施設、職場、自宅近隣の公共施設、障害者施設、インタビュアーの所属機関等、多岐にわたった。インタビュー終了後、録音したインタビューの内容を書き起こして、それを基にインタビューの分析を行った。行った分析は大別して2種類であった。1つめはGrand Tour QuestionsやFinal Questions, Additional Questionsへの回答を量的に分析したものであり、2つめは質的研究の手法であるEditing Approach(ConstantComparative Met hod)を用いた分析であった。生活満足度の上昇にかかわる要件には、障害に固有のもの、障害の種類にかかわらず障害者に固有のもの、障害の有無にかかわらず人間として共通のものの3種があることが考察された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nobuhiro Kumakura, Takayanagi M, Hasegawa T, Ihara K, Yano H, Kimizuka M: "Self-assessed secondary difficulties among paralytic poliomyelitis and spinal cord injury survivors in Japan"Arch Phys Med Rehabil.. 83. 1245-1251 (2002)
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[Publications] 佐久間祐子, 長谷川友紀, 高柳満喜子, 井原一成, 中村太郎, 矢野英雄: "慢性脊髄損傷者の予後の実態"日本職業・災害医学会会誌. 50(1). 25-35 (2002)