若年成人女子における動脈硬化性疾患の危険因子改善のための健康教育プログラムの開発

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13670404
• Research Institution: Tokyo Bunka Junior College
• Principal Investigator: 梅村 詩子 東京文化短期大学, 生活学科, 教授 (50269437)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 森山 ゆり 高知県衛生研究所, 保健科学部, 主任研究員 ; 磯 博康 筑波大学, 社会医学系, 教授 (50223053) ; 大島 恵子 東京文化短期大学, 生活学科, 助教授 (20223802)
• Keywords: 健康教育 / n3系多価不飽和脂肪酸 / n6系多価不飽和脂肪酸 / 総コレステロール / ホモシステイン値 / 魚介類、大豆製品の介入指導 / 食習慣調査

Research Abstract

【目的】食生活の欧米化により、若年者では脂質の摂取が増加し朝食の欠食が報告されている。循環器疾患の予防のためには、若年時から適切な食習慣の構築が重要である。昨年度より、血清総コレステロールの高値、n3系多価不飽和脂肪酸(n3-P)の低値、ホモシステイン値の高値の学生に魚介類、緑黄色野菜摂取等の健康教育を実施している。本年度の結果を報告する。
【方法】本学2年生80名を対象として食習慣調査、身体計測、血液検査を実施した。健康教育では学内の給食で魚食、大豆食、緑黄色野菜を実際に週1回、8回摂食した。
【結果】学生は魚介類の摂取頻度が少なく、肉類、油脂類の摂取頻度が多かった。血清総コレステロールの平均値は187mg/dlであったが、血清総ロレステロール値の200mg/dl以上の学生は28%(22名)、220mg/dl以上の学生は13%(10名)であった。n3-Pの平均値は6.7%で、5%以下の学生は44%(35名)であった。そこで総コレステロール200mg/dl以上、n3-Pが5%以下、ホモシステイン値10μmol/l以上の学生に健康教育、介入指導を実施した。特にコレステロール高値の学生は魚介類、大豆食を勧め、さらに学内給食実習で週に1回の割合で8回魚食、大豆食を摂取した。H13年度では高値群の血清総コレステロールは、220mg/dlから218mg/dlへとやや減少傾向を示したが、本年度は221mg/dlから210mg/dl(P=0.029)へと有意に減少した(その他の群は170.8mg/dlから166.3mg/dl)。n3-P低値群は、本年度も4.3.%から5.4.%へと有意に増加した(P=0.012)。ホモシステイン高値群は(6名)、13.2μmolから11.0μmol/lに減少した。H15年度も各々魚食、大豆食の摂食を指導する介入計画を進め、3年間の結果を総括する。