2001 Fiscal Year Annual Research Report
焼却施設の労働者におけるダイオキシン類曝露状況調査の効率的戦略を確立する
Project/Area Number |
13670413
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
熊谷 信二 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究者 (50250329)
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Keywords | ダイオキシン類 / 焼却施設労働者 / 血中ダイオキシン類濃度 / 堆積粉塵中ダイオキシン類濃度 |
Research Abstract |
この研究の目的は、焼却施設の梁などに堆積している粉塵中のダイオキシン類濃度と労働者の血中ダイオキシン類濃度の関係を明らかにすることにより、堆積粉塵中ダイオキシン類濃度を用いてダイオキシン類曝露状況調査(血中ダイオキシン類濃度測定)を実施する必要性を判断する手法を確立することである。 今年度は、既に血中ダイオキシン類濃度の測定を実施していた焼却施設5ヶ所において、堆積粉塵を採取しダイオキシン類濃度を測定した。また、新たに焼却施設2ヶ所において、堆積粉塵中ダイオキシン類濃度および血中ダイオキシン類を測定した。 血中ダイオキシン類濃度は16-196PgTEQ/g脂肪であり、ほとんどの労働者は一般人の範囲に入っていたが、一部の労働者では一般人の範囲を超えていた。各物質ごとに見ると、六塩化および七塩化ジベンゾフランが一般人より高くなっていた。堆積粉塵中ダイオキシン類濃度は0.91-43ngTEQ/gであり、一般土壌の100-1000倍のレベルであった。2,3,7,8-体パターンを見ると、七塩化および八塩化ダイオキシン、そして七塩化および八塩化ジベンゾフランが高かった。 堆積粉塵中ダイオキシン類濃度と血中ダイオキシン類濃度の関係を見ると、毒性等量では相関は見られなかったが、六塩化および七塩化ジベンゾフランでは正の相関が見られた。来年度、新たに焼却施設3ヶ所において同様の調査を実施し、さらにデータを増やせば、堆積粉塵中ダイオキシン類濃度を用いてダイオキシン類曝露状況調査の必要性を判断する手法を確立できる可能性が高い。
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Research Products
(2 results)