2003 Fiscal Year Annual Research Report
パラコートにより肺に誘導される未知遺伝子の単離とその機能の分析
Project/Area Number |
13670439
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
富田 正文 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (50113197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 和夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00069064)
西松 伸一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20222185)
濃野 勉 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (20098619)
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Keywords | パラコート / cDNA array / 遺伝子発現 / Superoxide / Free radical / 肺障害 / RT-PCR / Real time PCR |
Research Abstract |
除草剤パラコート(PQ)は酸化還元サイクルによって体内で容易にsuperoxideを産生することが知られている。われわれは,特異的障害臓器である肺に注目し,PQ投与後初期の段階で影響をうける遺伝子を検出することを試みた。すなわちPQ20mg/kgをラットに投与し,投与後3hrで肺からRNAを抽出し遺伝子発現レベルの違いをcDNA arrayで検討した。この20mg/kgは、投与後3hrでは病理的変化は観察できないが、24hrでは肺に障害が観察される。DNA macro arrayで1.5倍以上(〜3.7倍)up-regulateする遺伝子が14個,1.5倍以上(〜2.5倍)down-regulateする遺伝子が15個検出された。とくに変化の大きな遺伝子についてリアルタイムRT-PCRで検討した結果,PQ毒性で変化が期待されるthioredoxin, platelet-derived growth factor(PDGF),glutathione S-transferase, superoxide dismutase(SOD)などの遺伝子において有意な発現促進が確認された。さらに一部constitutiveなチトクロムP450(CYP)で興味ある結果が得られた。すなわち雌(肝)に発現が報告されているCYP2c6,CYP2c7,CYP2c12は,正常群の肺での発現は非常に低いが,PQ3hr暴露で有意に促進することが分かった。この発現変化は,肺に特異的であり肝臓ではわずかに促進を示すが,腎臓では反対に抑制傾向を示した。また、CYP2c6,CYP2c7,CYP2c12はいずれも3hrで発現変化のピークを示し,24hrでは低下した。以上,PQ3hr暴露の肺でのCYP遺伝子発現への影響が,PQに特異的な肺毒性のブレイクスルーになる可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Tomita, T.Okuyama, K.Hidaka, T.Nohno et al.: "Early differential gene expression of rat lung after exposure to paraquat"Free Rad.Res.. in press.
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[Publications] J.Adachi, K.Ishii, M.Tomita et al.: "Consecutive administration of paraquat to rats induces enhanced cholesterol peroxidation and lung injury"Arch.Toxicol.. 77. 353-357 (2003)
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[Publications] 富田正文, 日高和夫, ら: "個人識別におけるニューロテンシンレセプターの多型性について"DNA多型. 11. 91-94 (2003)
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[Publications] 勝山博信, 富田正文, 日高和夫, 河合俊夫: "ビタミンDレセプター多型と日常生活習慣との関連"DNA多型. 11. 212-214 (2003)
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[Publications] 日高和夫, 富田正文 ら: "カーバメート系農薬分解酵素の活性測定法と酵素の精製"川崎医会誌. 29. 7-12 (2003)