2002 Fiscal Year Annual Research Report
抗プロトロンビン自己抗体の免疫学的特性と血栓形成機序に関する研究
Project/Area Number |
13670442
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渥美 達也 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20301905)
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Keywords | プロトロンビン / ループスアンチコアグラント / 抗リン脂質抗体症候群 / 血栓症 / モノクローナル抗体 / エピトープ / ホスファチジルセリン / ELISA |
Research Abstract |
本研究では、ホスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン抗体(aPS/PT)の特性を明らかにした。aPS/PT ELISAを樹立し、抗リン脂質抗体症候群や他の自己免疫疾患での頻度と血栓症との相関を検討したところ、aPS/PTはほかの抗リン脂質抗体よりも抗リン脂質抗体症候群に対する特異度が強かった。このような抗プロトロンビン自己抗体は、ホスファチジルセリンと結合したプロトロンビンに新たに出現したクリプテイックエピトープと反応する可能性が考えられた。プロトロンビンをトロンビンあるいは活性化第X因子で消化して、プロトロンビンのフラグメントを精製したが、ホスファチジルセリンとフラグメント-1、およびフラグメント-1+2との複合体には患者由来のaPS/PT活性をもつ精製IgGの結合はみられず、エピトープはα-thrombin側にあるか、またはconformationalであると考えられた。 マウスをヒトプロトロンビンで免疫し、ホスファチジルセリン-プロトロンビン複合体に反応するモノクローナル抗体(231D)を得た。231Dは、ホスファチジルセリン非依存性抗プロトロンビン抗体陰性、ウェスタンブロット陰性であり、あたかもヒトの自己抗体(aPS/PT)のような性質であった。この231Dを精製し、正常血漿に加えたところ、濃度依存性に凝固時間が延長した。231D加血漿を用いて標準曲線を作成し、同じ正常血漿と患者血漿を混和して作成したサンプルの凝固時間を測定すると、患者血漿の抗凝固活性がモノクローナル抗体の力価として相対的に表現され、すなわち231Dを用いるとループスアンチコアグラントの定量化が可能であることが示された。231Dを用いたループスアンチコアグラントは高感度で再現性が高く、抗リン脂質抗体症候群の診断に非常に有用である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Atsumi T: "Clinical relevance of antiprothrombin antibodies"Autoimmunity Reviews. 1. 49-53 (2002)
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[Publications] Tsutsumi A: "Anti-phosphatidylserine/prothrombin antibodies are not frequently found in patients with unexplained recurrent miscarriages"Am J Reprod Immunol. 46. 242-244 (2001)
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[Publications] Yasuda S: "Gene polymorphisms of tissue plasminogen activator and plasminogen activator inhibitor-1 in patients with antiphospholipid antibodies"J Rheumatol. 29. 1192-1197 (2002)
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[Publications] Ambrozic A: "Anti-β2-glycoprotein I antibodies in children with atopic dermatitis"Int Immunol. 14. 823-830 (2002)
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[Publications] Takeuchi R: "Suppressed intrinsic fibrinolitic activity by monoclonal anti-beta2 glycoprotein I autoantibodies : possible mechanism for thrombosis in patients with antiphospholipid syndrome"Brt J Haematol. 119. 781-788 (2002)
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[Publications] Amengual O: "Specificities, properties and clinical significance of antiprothrombin antibodies"Arthritis Rheum. (in press).
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[Publications] 渥美達也: "第2部第11章1.抗リン脂質抗体症候群の病態に基づく治療戦略"狩野庄吾、中川武正編:先端医療シリーズ19アレルギー・リウマチ膠原病の最新医療、先端医療技術研究所、東京. 361-367 (2003)