2001 Fiscal Year Annual Research Report
マスト細胞におけるSyk/Cbl複合体によるFcεRI受容体からの情報伝達の制御
Project/Area Number |
13670449
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 康男 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80292936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 訓久 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | Cbl / FcεRI / Syk |
Research Abstract |
本研究の最終目標は、なぜCblが高親和性IgE受容体刺激後の細胞内情報伝達系において、Sykチロシンキナーゼの活性化を抑制し、アレルギー反応を抑制するのかという点について分子レベルで解明することにある。そのため、本研究では野生型Cblと70ZCblをマスト細胞内に過剰発現させ、それらの細胞における高親和性IgE受容体刺激後の細胞内情報伝達系を比較検討することにより、Cblの作用点の分子レベルでの解析を行った。特に高親和性IgE受容体および受容体直下のシグナル伝達に焦点を絞って解析した。 Sykは受容体刺激後、そのSH2ドメインを介して、チロシンリン酸化された口鎖に結合し活性化されることが知られているが、Cblの過剰発現によりγ鎖との結合が阻害されることが、CblによるSykチロシンキナーゼの活性化抑制の一因と考えられる。そのため、受容体直下でのCblの動態の検討をおこなった。受容体刺激前後でのCblとγ鎖との結合様式をウエスタン法を用いてまず検討したが、受容体刺激後でのCblとγ鎖の結合は亢進が認められた。野生型Cblと70ZCblを過剰発現し、Lyn自身の活性化の抑制を検討した。キナーゼアッセイは行っていないが、Lynのチロシンリン酸化の程度は、両群間で大きな変化は認められなかった。また、Sykの自己リン酸化の抑制機序に関しての検討を試みたが、システムの確立が今年度は困難で、現時点ではうまく解析できず、これについては2年目の課題となった。
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