2001 Fiscal Year Annual Research Report
抗体をキャリアーとした血管新生抑制因子遺伝子導入による慢性関節リウマチの治療
Project/Area Number |
13670486
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
齋藤 和義 産業医科大学, 医学部, 講師 (30279327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (30248562)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 細胞接着 / 遺伝子導入 / 血管新生抑制因子 |
Research Abstract |
慢性関節リウマチ(RA)の炎症滑膜内血管内皮細胞上に特異的に発現する分子に対する抗体を作成し、これをキャリアーとして、血管新生抑制因子遺伝子を炎症滑膜部位で発現させ、炎症滑膜局所で血管新生を制御し、炎症細胞の滑膜内浸潤・滑膜細胞増生を抑止するImmunogene therapyの確立を目的とし、まずICMA-1抗体を担体として至適条件の設定を行った。2価架橋剤sulfo-succinimidyl 4-(N-maleimidomethyl)cyclohexane-1-carboxylate(sulfo-SMCC)を用いて、抗ICAM-1抗体とpoly(L-lysine)を架橋しpoly(L-lysine)修飾抗体を作成する。このpoly(L-lysine)修飾抗体とルシフェラーゼ発現ベクターDNAをインキュベートして抗体-DNA接合体を作成する。接合体作成条件と遺伝子導入効率を詳細に検討するために作成した抗ICAM-1抗体-遺伝子接合体をICAM-1遺伝子をstableに発現させたCOS-7細胞(ICAM-1 COS)に遺伝子導入した。抗体-遺伝子接合体の添加で、COS細胞には遺伝子発現はみられなかったが、ICAM-1 COSではルシフェラーゼが高発現しており、特定の抗原を標的とする遺伝子導入法が確立できた。さらに、接合体作成時の条件に関しては(1)Fab fragmentを使用することによりintact IgGの10倍以上の遺伝子導入効率が得られる。(2)接合体形成時に混合する抗体:DNAの最適比は1:8であるなどのことが明らかとなった。また、この接合体はPMAで活性化した末梢血リンパ球とICAM-1発現細胞との細胞接着阻害能を維持していることが確認された。
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