2001 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌における新規14q12-21増幅の標的癌関連遺伝子の単離
Project/Area Number |
13670497
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安居 幸一郎 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (30323695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲澤 譲治 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30193551)
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Keywords | 食道癌 / 遺伝子増幅 / 癌関連遺伝子 |
Research Abstract |
浸潤や転移あるいは薬剤耐性といったの癌の特性に関わる遺伝子異常を解明するため、われわれはCGH(comparative genomic hybridization)法による癌ゲノム解析を推進してきた。CGH法では複雑な染色体異常を呈する固形腫瘍でも、全染色体を鳥瞰して、染色体の特定領域の欠失、過剰、とりわけ、新しい遺伝子増幅領域を探索するには非常に有用である。われわれは食道扁平上皮癌細胞株のCGH解析から高頻度に14q12-21増幅を認めた。本研究では、14q12-13増幅の標的となり、食道扁平上皮癌の発生や進展に関与する新たな癌関連遺伝子の同定とその機能解析を目的としている。 今年度は、14q12-13増幅領域の詳細な地図(amplion map)をBAC contig mapを基にFISH法で作製し、共通の増幅領域をマーカーD14S1034からL18528までの6.0Mbに限局化した。次いで、その共通増幅領域内の26個の遺伝子あるいはESTについて検討した結果、7個の遺伝子(BAZ1A, HNF3A, MBIP, SRP54, NFKBIAおよび2個の未知遺伝子)が増幅とそれによる発現亢進を示すことを明らかにした。さらに、これら標的遺伝子の増幅を食道扁平上皮癌の臨床例においても検証し、BAZ1AとHNF3Aが32例中3例(9%)において共増幅していることを確認した。また、転写因子HNF3A(hepatocyte unclear factor 3 alpha)は肝臓特異的に発現するが、HNF3Aの遺伝子増幅がある食道扁平上皮癌細胞株においてはHNF3 alphaタンパク質が異所性に発現することを認めた。 以上の成果をGenes Chromosomes Cancer 32 : 112-118(2001)に報告した。
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Research Products
(1 results)