2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670500
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
青柳 豊 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00142266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健司 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00303123)
小谷 昌司 新潟大学, 理学部, 教授 (60018702)
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Keywords | 肝細胞癌 / 糖鎖 / アルファフェトプロテイン / フコース転移酵素 / アンチセンスオリゴヌクレオチド / フコシル化分画 |
Research Abstract |
α1-6フコース転移酵素(A16FT)のアンチセンスRNAによる発現抑制実験として、本酵素のmRNA (GenBank Accession No.D89289)の861〜874塩基、5'-CACTCATCTTGGA-3'、に対するセンスならびにアンチセンス合成RNAを用いた。各RNAは、リボースの2'位のOHに対し2-methoxyethylを結合させ、また、ヌクレオチドのリン酸基の非結合酸素をS原子に置き換えるphosphorothioate修飾を加えた。HepG2細胞を48時間培養した後の培養上清中のアルファーフェトプロテイン(AFP)濃度とそのフコシル化分画は、2.8±0.29ng/ml、84.6±3.4%であった。FuGENE6(Roche、USA)を用いて上記のセンス、あるいはアンチセンスRNAをHepG2細胞にリポフェクションにより導入し、24時間後に培養上清を回収、さらに培養を続け48時間後に培養上清ならびに細胞を回収した。センス、アンチセンス、ならびにFuGENE6単独の各群を調整し、各培養上清中のAFP濃度とフコシル化分画を測定した。各群における24時間後、48時間後のAFP濃度はそれぞれ、5.2ng/ml、2.4ng/ml(センス)、3.6ng/ml、1.8ng/ml(アンチセンス)、7.6ng/ml、3.7ng/ml(FuGENE6)であった。次にAFP濃度を20ng/ml程度まで濃縮し、フコシル化分画を測定した。各群のフコシル化分画は、77.4%、79.7%(センス)、80.4%、70.1%(アンチセンス)、79.0%、80.8%(FuGENE6)であり、アンチセンス導入群の48時間後に採集された培養上清中でフコシル化分画が低下している事が示唆された。A16FTに対するアンチセンスRNA導入によりAFPのフコシル化が抑制されることが示唆されたので、次にA16FTに対するsmall interfering RNA (siRNA)の持続発現により、AFPのフコシル化が安定して抑制されるsiRNA持続発現株の樹立を試みた。A16FTmRNAの1002塩基のAA配列に続く19塩基配列からなる配列を、polymerase-III H1-RNA gene promotorの制御下に、ポリA配列を欠き3'端にUU突出を有するRNAが転写されるベクターであるpSUPER.retro (OligoEngine, USA)にクローニングした。また、配列特異的発現抑制を確認するため、19配列の第9塩基をGからAに置換した変異配列も同時にクローニングした。現在これらのベクターをHepG2細胞に感染させ、持続発現株を樹立している
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kozakai I, Itoh Y, Kuwano R, Aoyagi Y, Asakura H.: "Chemical deafferentiation of the nasal neuroepithelium profoundly reduces cholecystokinin gene expression in mouse olfactory bulb"Acta Medica et Biologica. 50. 53-60 (2002)
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[Publications] Waguri N, Suda T, Kamura K, Aoyagi Y.: "Heterogeneous hepatic enhancement on CT angiography in idiopathic portal hypertension"Liver. 22. 276-280 (2002)
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[Publications] Kuroiwa T, Suda T, Takahashi T, et al.: "Bile duct involvement in a case of autoimmune pancreatitis successfully treated with an oral steroid"Digestive Diseases & Science. 47. 1810-1816 (2002)
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[Publications] Soga K, Shibasaki K, Aoyagi Y.: "Effect of interferon on incidence of hepatocellular carcinoma in patients with chronic hepatitis C"Hepato-Gasroenterology 2002. (in press).