2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670504
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田中 栄司 信州大学, 医学部, 助教授 (50163506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清澤 研道 信州大学, 医学部, 教授 (30020829)
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Keywords | 非A-E型肝炎 / SENウイルス / サブトラクションPCR / クローニング |
Research Abstract |
本年度は、血清検体を用いたサブトラクション法の条件設定を行った。すなわち、正常血清に既知のDNAを混合した実験用の検体を作成し、ここから目的とするDNAを抽出するための条件設定を行った。血清100μlに既知のDNAを混合し検体とした。ここから抽出したDNAを昨年設定した制限酵素で切断し、アダプターを結合後PCRで増幅した。このPCR産物をアガロースゲルで電気泳動したところラダーバンドが得られた。このPCR産物について、他のアダプターを用いて作成したドライバーでサブトラクションを行い、再度アガロースゲル上で電気泳動すると、数本のDNAバンドが出現した。これらのバンドを切り出し、DNAを抽出後、クローニングして塩基配列を決定した。しかし、これまでの所、最初に混合したDNAと一致する塩基配列は得られていない。予定通り目的とするDNAが増幅されない原因として、アダプターの重合した配列が多く検出され、バックグラウンドが低くできないことが上げられる。このため、アダプターの設定を検討し直す必要がある。13年度に行った単純なサブトラクションと違い、条件設定が難しいと思われる。次年度はこの点に重点を置き検討を進める予定である。 原因不明の肝炎症例の抽出は引き続き行っている。1985年から2001年までに原因不明肝炎として登録され、かつ、同意を得て血清保存のされている症例は208例である。内訳は、劇症肝炎3例、急性肝炎49例、慢性肝炎107例、肝硬変39例、NASH疑い6例であり、このうち慢性肝炎1例と肝硬変3例はHCCを合併していた。また、組織学的検討がなされているのは73例であった。この73例は組織学的にもウイルス肝炎であることが示唆されているが、再度、第三者による検討が必要と思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tanaka E, Takeda N, Li TC, et al.: "Seroepidemiological study of hepatitis E virus infection in Japan using a newly developed antibody assay"J Gastroenterol. 36. 317-321 (2001)
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[Publications] Umemura T, Alter HJ, Tanaka E, et al.: "Association between SEN virus infection and hepatitis C in Japan"J Infect Dis. 184. 1246-1251 (2001)
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[Publications] Gad A, Tanaka E, Orii K, et al.: "Clinical significance of TT virus infection in maintenance hemodialysis patients of an endemic area for hepatitis C infection"Hepatol Res. 22. 13-19 (2002)
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[Publications] Umemura T, Alter HJ, Tanaka E, et al.: "SEN virus : response to interferon-α and influence on the severity and treatment response of coexistent hepatitis C"Hepatology. 35. 953-959 (2002)