2001 Fiscal Year Annual Research Report
重炭酸イオンチャネルの制御-新しい膵炎治療法の可能性-
Project/Area Number |
13670506
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 洋 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助手 (90303651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 元二 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80262898)
成瀬 達 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50180550)
近藤 孝晴 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (20135388)
早川 哲夫 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80022838)
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Keywords | 単離小葉間膵管 / 細胞内Cl^-濃度 / HCO_3^-分泌 / 5-hydroxytriptamine / Na^+-HCO_3^-cotransport / 水チャネル |
Research Abstract |
モルモットの膵臓から単離した小葉間膵管(径100〜150μm)の管腔内を表層とは別個に漑流し(マイクロパーフュージョン)、BCECFあるいはMEQを負荷し、膵導管細胞の細胞内HCO_3^-濃度(細胞内pH)および細胞内Cl^-濃度をmicrofluorometryにより測定した。また、微小電極を用いて細胞内電位を測定した。セクレチンで刺激し管腔内を125mM HCO_3^-/20mM Cl^-溶液で漑流した生理的条件では、細胞内HCO_3^-濃度は約20mM、細胞内Cl^-濃度は約7mM、細胞内電位は約-60mVであった。膵導管細胞の管腔側膜を介するHCO_3^-輸送は、Cl^-/HCO_3^-exchangeではなく、陰イオンチャネル(重炭酸イオンチャネル)を介することを示した。5-hydroxytriptamine(セロトニン)は5-HT_3受容体を介して、膵導管細胞からのHCO_3^-分泌を0.1μmという低濃度で強力に(約75%)抑制した。この抑制が細胞内pHの低下を伴っていたことから、5-HTは基底側膜のNa^+-HCO_3^- cotransportを抑制して細胞内へHCO_3^-の取り込みを低下させたと考えられる。さらに、5-HT_3受容体拮抗剤が膵管内圧の上昇による膵液分泌の低下を抑制したことから、膵管上皮内のenterochromaffin細胞内の5-HTが膵液分泌の局所的な調節因子として働いていることを示した。膵導管細胞の水輸送について、ラットの膵臓から単離した小葉間膵管を用いて、RT-PCR、水透過性の測定、免疫組織化学により、AQP1が発現していること、水チャネル(aquaporin)が水輸送のほとんどを担っていることを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ishiguro, H.: "Chloride transport in microperfused interlobular ducts isolated from guinea-pig pancreas"J Physiol(Lond). 539・1. 175-189 (2002)
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[Publications] Ishiguro, H.: "Pancreatic ductal bicarbonate secretion : Past, present and future"JOP. J. Pancreas(Online). 2(4 Suppl). 192-197 (2001)
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[Publications] Suzuki, A.: "5-hydroxytryptamine strongly inhibits fluid secretion in guinea pig pancreatic duct cells"J Clin Invest. 108. 749-756 (2001)
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[Publications] Ko, S. B. H.: "Aquaporins in rat pancreatic interlobular ducts"Am J Physiol. 282. G324-331 (2002)
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[Publications] Furuya, S.: "Distribution of aquaporin 1 in the rat pancreatic duct system examined with light and electron microscopic immunohistochemistry"Cell Tissue Res. (in press). (2002)
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[Publications] Nakajima, M.: "The role of cholecystokinin in the intestinal phase of pancreatic circulation in dogs"Am J Physiol. 280. G614-620 (2001)