2002 Fiscal Year Annual Research Report
膵腺房由来MyofibroblastのMMP分泌制御と細胞内シグナル伝達
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13670509
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
石塚 義之 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80303775)
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Keywords | hPFCs / Matrix metalloproteienase-1 / Cytokines / 細胞内シグナル伝達 / MAPK / PKC / Nortern blot / Zymography |
Research Abstract |
ヒト膵組織より単離培養したヒト膵腺房由来線維芽様細胞(hPFCs)においてMatrix metalloproteinase(MMPs, MMP-1,2,9)が産生・分泌されていることをGelatin gelを用いたZymographyにより証明した.これら、MMPsはhPFCs非刺激時においても恒常的に分泌はされているがIL-1β,TNF-αなどの炎症惹起生サイトカイン刺激によりその産生・分泌は著明に亢進することが確認された.サイトカイン(IL-1β,TNF-α)刺激により誘導されたMMP-1の産生増強はProtein kinase C(PKC) inhibitorでは抑制されず,MAPK inhibitorであるApigeninやMEK inhibitorである(PD98059)により用量依存性に産生抑制されたが,p38MAPK inhibitor(SB203580)によっては抑制されなかった.また,MMP-1mRNA発現についてNorthern blotによる解析でも,PKC independent, MEK dependentなシグナル伝達経路がMMP-1合成系に関与している事実が確認された.MMP-1mRNA発現において,転写因子NF-κB inhibitor(PDTC, TPCK)はサイトカイン誘導下のMMP-1mRNA発現には影響を及ぼさず,他の転写因子の関与が示唆された.hPFCsは,ヒト膵腺房に存在しコラーゲン代謝の一環を担うMMP-1を産生し,それは炎症惹起生サイトカインによる影響をうけていた.また、サイトカイン刺激によるMMP-1産生誘導には,MAPK(MEK)のシグナル伝達経路が重要な役割を持つことが明らかになった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 馬場忠雄, 五月女隆男, 新谷寛: "ヒト膵腺房周囲筋線維芽細胞のmatrix wetalloproteinase-1(MMP-1)産生におけるシグナル伝達"厚生労働省特定疾患対策事業難治性膵疾患に関する調査研究班平成12年度研究報告書. 228-232 (2001)
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[Publications] 新谷寛, 馬場忠雄: "慢性膵炎わが国の実態,成因と発症機序・進展機序"図説消火器病シリーズ14膵炎,膵癌. 84-98 (2001)
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[Publications] 馬場忠雄: "ヒト膵腺房周囲線維芽細胞(hPFC_2)におけるprotease-activated receptors(PARs)の存在と細胞増殖調節機構への関与"厚生労働省特定疾患対策事業難治性膵疾患に関する調査研究班平成13年度研究報告書. 244-247 (2002)