2002 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスの増殖に必要な肝細胞内の因子の特定と増殖阻害剤の開発
Project/Area Number |
13670521
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
茶山 一彰 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00211376)
|
Keywords | HCV / RT-PCR / クローニング / RNA interference / IFN / IRFファミリー |
Research Abstract |
平成14年度には、C型肝炎患者血清を用いて、HCVの全領域の遺伝子をRT-PCRにより増幅し、ほぼ全塩基配列の決定を行った。また、各領域の遺伝子を、大腸菌を用いてクローニングし、それぞれ約10クローンずつ塩基配列を決定し、ダイレクトシークエンスの配列に近いものを検索した。また、より近い配列のクローンを用いて、変異導入を行い、ダイレクトシークエンスとほぼ等しいHCVクローンの作成を開始した。それぞれのクローンを連結してPBR322にHCV全長、プロモーター、HDVリボザイムが挿入されたコンストラクトを作成し、in vivo、in vitroでトランスフェクションを行い、HCV複製系を確立し、RNA interferenceなどによるHCV増殖制御の検討や、新たな増殖制御領域の特定、増殖阻害剤の探索を行っていく予定である。 平成14年度には、E2、NS5A蛋白を恒常的に発現する細胞株を作るために、IFN抵抗性のC型肝炎患者のE2、NS5Aをインフルエンザウイルスベクターに組み込んで、293T細胞、MDCK細胞に感染させて蛋白発現を試みた。E2およびNS5A共に蛋白発現が低かったため、今度は、E2、NS5Aを真核細胞発現ベクター(pKS336)に組み込み、Huh7細胞にtransfectionを行いNS5A、E2蛋白を発現する細胞株を作り始めたところである。E2、NS5A蛋白を恒常的に発現される細胞株が得られたら、HCVのIFN感受性に関する領域や、interferon regulatory factor(IRF)ファミリーなどについて検討していく予定である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 田妻 進: "インターフェロンによるウイルス排除のメカニズム"医学のあゆみ. 200巻. 79-83 (2002)
-
[Publications] Kazuaki Chayama: "Management of chronic hepatitis C and prevention of hepatocellular carcinoma"Journal of Gastroenterology. 37巻・13号. 69-73 (2002)
-
[Publications] 茶山一彰: "インターフェロンによるウイルス排除のメカニズム"肝胆膵. 45巻. 989-993 (2002)
-
[Publications] Kazuaki Chayama: "Evaluation of quantitative measurements of hepatitis C virus RNA to predict sustained response to interferon by genotype"J Virol Methods. 95巻・6号. 33-45 (2001)
-
[Publications] 茶山一彰: "肝臓フォーラム"肝炎ウイルスの変異と動態. 85-121 (2002)