2001 Fiscal Year Annual Research Report
消化管粘膜の小腸形質発現および小腸形質発現癌における転写制御因子ATBF1の役割
Project/Area Number |
13670542
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
伊藤 誠 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (00080119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 裕 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (90285198)
城 卓志 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (30231369)
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Keywords | ATBF1 / α-フェトプロテイン / 転写抑制因子 / 転写因子 / 胃癌 |
Research Abstract |
ATBF1(AT motif binding factor 1)は人のα-フェトプロテインのエンハンサーのATリッチエレメント,TGATTAATAATTACAに結合するタンパク質として,1991年にヒト肝癌細胞株から分離された(ATBF1-B).その後更に大きな分子量を持つATBF1-AがクローニングされATBF1と名付けられた.ATBF1は発現の時期や発現箇所より細胞の分化誘導に関連していると考えられていたが,そのアミノ酸配列上ヘリカーゼ活性を思わせる部分を持っていることは早くから指摘されていた.このことに関連してcATBF1がDNA/RNAの存在下でATPase活性を持つことが判明した. われわれ,種々のヒト胃癌細胞株におけるATBF1の発現を検討し,小腸型形質を有しているα-フェトプロテイン産生胃癌株では,通常の胃癌株に見られるATBF1の発現が欠如していた.さらにこれらの細胞にATBF1を遺伝子導入するとAFP遺伝子の発現が低下した.また,臨床サンプルにおいて,抗AFPと抗ATBF1抗体による二重免疫染色法での検討ではAFPとATBF1の相反性がみられATBF1の欠損がAFP産生胃癌における悪性度を規定している因子の一つである可能性が示唆されため,Oncogene 869-873:20,2001に報告した.また同時にN末端が短いタイプのATBF1-BとATBF1-Aはむしろ逆の作用があることを発見し,ATBF1-Aの持つ転写抑制機能にはN末端のアミノ酸が重要であるとの示唆をふまえ,現在はTwo hybrid systemによる癌関連蛋白質,転写調節関連moleculeの解明中である.
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Research Products
(1 results)