2001 Fiscal Year Annual Research Report
新しいレトロウイルス・ベクターによる造血幹細胞への遺伝子導入と肝臓での遺伝子発現
Project/Area Number |
13670544
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岡上 武 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (20150568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 克彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (90281097)
伊藤 義人 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70244613)
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Keywords | レトロウイルス / 肝細胞 / 骨髄細胞 / インシュレーター / メチル化 |
Research Abstract |
I 種々のレトロウイルス・ベクター産生細胞の作成 (1)肝細胞での導入遺伝子の特異的な発現を目的とするため、FMEVタイプのレトロウイルス・ベクターのU3regionに、B型肝炎ウイルスのエンハンサー領域を挿入し、さらに、CATマーカー遺伝子を組み込んだ10種類のベクターを作成し、Huh7、Alexander、HLEなどの肝癌細胞株に感染させた。現在、それらの細胞株でのマーカー遺伝子の発現の変化について検討している。 (2)FMEVタイプのレトロウイルス・ベクターのエンハンサー領域の上流に、メチル化を予防するため、URIと呼ばれるインシュレターを組み込みこんだ。血球系細胞のK562、Mam、間葉系細胞のNIH3T3、293では、ベクター導入後二週間の時点でマーカー遺伝子(CAT)の発現がコントロールに比べて、1.2〜1.5倍増加していた。現在は、長期間発現したクローンとそうでないクローンを限界希釈により分け、メチレーションPCRを行い、メチル化を起こした部位を同定している。 II 造血肝細胞への遺伝子導入による肝疾患遺伝子治療の検討 C57BL/6マウスから骨髄細胞を採取し、ストローマ細胞・サイトカインを用いたin vitroの系でCATを発現するFMEVベクターに感染させて遺伝子を導入後、NEO遺伝子を組み込んだストローマ細胞上で選択し、C57BL/6マウスに細胞を移植した。移植後、定期的にマウスより肝臓を摘出し、LacZ染色にて、全肝細胞中に占めるドナー由来の肝細胞の頻度、ドナー由来の肝細胞とそれ以外の細胞との比率を調べている。また、GFPトランスジェニック・マウスの骨髄細胞より、各種のモノクロナール抗体とカラムを用いて、CD34陽性分画、及び、各種分化マーカー陰性かつCD34陰性分画を調整している。
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