2002 Fiscal Year Annual Research Report
抗セレノシステインtRNA蛋白質複合体抗体誘導による自己免疫性肝炎モデルの作製
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13670566
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Research Institution | THE JIKEI UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
松藤 民子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00199845)
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Keywords | 自己免疫性肝炎 / セレノシステインtRNA / 自己抗体 / 肝炎モデル / 肝可溶性抗原(SLA / LP) |
Research Abstract |
1.SLA/LP系発現の構築 報告されているSLA/LP cDNAと比較してN末端が30残基短いcDNAのN末端又はC末端にHis6タグを付加したクローンを作製した。大腸菌BL21(DE3)内で発現させたところ、封入体の形で不溶性となり、誘導条件や培養温度を変えても可溶化しなかった。そこでC末端のHis6タグ組換え体からT7RNAポリメラーゼを用いてmRNAを合成しそれをウサギ網状赤血球溶血液で翻訳させた。その結果、発現産物の大部分が可溶性分画に得られた。さらに全長cDNAの試験管内発現系作製にも成功した。 2.自己免疫性肝炎(AIH)患者血清中の抗SLA/LP抗体の検出 ウサギ網状赤血球溶血液35Sメチオニン標識下で合成した組換えSLA/LPに、患者血清とプロテインAセファロースを加え免疫沈降を行った。沈降物を洗浄後SDS-PAGEによって解析した。AIH患者血清29症例中6例が明らかにSLA/LPを沈降させ、さらに7例が弱陽性であった。セレノシステインtRNAに直接結合する抗体陽性が確認されている3例はいずれも非常に強い沈降活性を示した。これらの沈降は翻訳後のウサギ網状赤血球溶血液をRNase処理しても消失しなかったことから、tRNAに対する直接型抗体を介するものではないことが示唆された。 3.自己免疫性肝炎モデルの作製 引き続き全長SLA/LP cDNAの大腸菌発現系を構築中である。得られたSLA/LPはセレノシステインtRNAとともにマウスに接種してAIHモデルの作製を行う予定である。
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Research Products
(1 results)