2002 Fiscal Year Annual Research Report
PPARγを介した活性化クッパー細胞の抑制と肝障害の治療への応用に関する研究
Project/Area Number |
13670568
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Research Institution | JIKEI UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
大畑 充 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50231204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 青佳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90297391)
高橋 暁 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70297399)
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Keywords | PPARγ / クッパー細胞 / 肝障害 / 転写因子 / サイトカイン / TNFγ / NFκB |
Research Abstract |
1 Sprague-Dawley(SD)系雌性ラット(体重300g前後)を用い、これらにエタノールを5g/kg経口投与(約25%の濃度)し、その24時間後にLipopolysaccharide(LPS)5mg/kgを腹腔内投与し、急性肝障害モデルを作成した。これらのモデルでは血液生化学的にも、組織学的にも肝障害を誘導することができた。 2 これらのラットに対し、エタノール経口投与10分後および、LPS投与と同時の2回にわたりPPARγのリガンドであるPioglitazone(1mg/kg)を腹腔内投与した。コントロール群はエタノールの代わりに等カロリーのグルコース溶液を、LPSの代わりに生理食塩水を、またPioglitazoneの代わりに溶解液を投与した。これらをエタノール(E)、LPS、Pioglitazone (P)の投与により以下の4群(各群5匹ずつ)に分けて検討した。すなわちI群:E(-)LPS(-)P(-)、II群:E (-)LPS(-)P(+)、III群:E(+)LPS(+)P(-)、IV群: E(+)LPS(+)P(+)である。これらのラットをLPS投与24時間後に実験に供した。I群、II群に比べ、アルコールおよびLPS投与のIII群では血漿トランスアミナーゼおよびTNFαの増加を認めたが、これらはPPARγリガンドのpioglitazone投与を投与したIV群では有意に抑制された。また肝組織学的にも同様の結果であった。TNFαmRNAの発現はIII群で有意に亢進し、IV群では有意に抑制され、PPARγmRNAの発現はIII群で低下し、IV群で改善した。以上から、PPARγリガンドは転写因子NFκBの抑制を介してTNFαを低下させ、肝障害を改善させると考えられる。現在NFκBの活性を検討中である。 3 これらの肝障害モデルでは活性化したクッパー細胞が主要な役割を担うと考えられ、本モデルにおいて、現在クッパー細胞を分離して検討中である。
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Research Products
(1 results)