2001 Fiscal Year Annual Research Report
カテキンによる肝星細胞の増殖抑制効果と細胞内情報伝達経路の解明
Project/Area Number |
13670575
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
坂田 隆一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (70258424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 徹 久留米大学, 医学部, 助手 (30341332)
上野 隆登 久留米大学, 医学部, 教授 (70176618)
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Keywords | カテキン / 肝星細胞 / 肝繊維化 / PDGFレセプター / MAPK / Erk / MEK / Scatchard Analysis |
Research Abstract |
われわれは肝線維化の主役たる細胞である肝星細胞(HSC)の培養細胞株を用いて、緑茶の有効成分のカテキンが肝線維化の防止に有効かという観点から、HSCにおけるPDGFの細胞増殖刺激に対するカテキンの情報伝達抑制機構を解明することを目的とした。 1)カテキンのHSCの細胞増殖に与える影響の検討 epigallocathechin-3-gallate(カテキン)を添加し培養した後、PDGFで刺激し、BrdUを用いてHSCの細胞増殖に対するカテキンの影響を検討した。HSCの増殖はカテキンの濃度依存性に抑制された。 2)カテキンのHSCの細胞周期に与える影響の検討 カテキンが増殖細胞の細胞周期のどの時期に作用しているかを観察するために、フローサイトメトリーを行った。カテキンの添加により細胞周期S期の細胞の減少が認められ、カテキンの増殖抑制はG0/G1arrestの形式であることが明らかとなった。 3)カテキンのHSCのMAPKリン酸化に与える影響の検討 PDGFにて刺激後、Erk、MEKのリン酸化の程度を抗リン酸化抗体を用いて検討した。ErkおよびMEKのリン酸化はカテキンの濃度依存性に抑制されることが明らかとなった。 4)カテキンのPDGFレセプターのリン酸化へ及ぼす影響の検討 カテキンがレセプターのリン酸化へ影響を与えるかを検討した。PDGFレセプター蛋白に対してリン酸化チロシン抗体を用いてWestern Immunoblotting analysisを行い、レセプターのリン酸化程度がカテキンの濃度依存性に抑制されることを明らかにした。 5)カテキンのPDGFとそのレセプターのアフィニティに及ぼす影響の検討 ^<125>I-PDGFを利用してPDGFとレセプターとのアフィニティに与えるカテキンの影響を検討した。Scatchard analysisにより、カテキンはPDGF刺激によるPDGFレセプターのリン酸化を非競合形式で抑制することを明らかにした。
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