2002 Fiscal Year Annual Research Report
老化マウスklothoにおける肺気腫および肺発生の分子機序の解明
Project/Area Number |
13670590
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山洞 善恒 群馬大学, 医学部, 助手 (90323352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉林 正彦 群馬大学, 医学部, 教授 (00215047)
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Keywords | klothoマウス / 肺気腫 |
Research Abstract |
肺に肺気腫などの形態学的変化を来たしていない時点で、既に有意に増加してくる遺伝子は、その後に生じる肺気腫の発症に深く関与していると考えられる。そこで肺気腫が生じる以前の2週齢のklotho遺伝子ホモ欠損(KL-/-)マウスの肺における遺伝子発現を、同週齢の野生型マウスの肺におけるそれとAtlas Nylon Membraneを用いたハイブリダイゼーションにて比較検討し、肺気腫の病変形成に関与する遺伝子群の検討を行った。 2週齢のKL-/-においてその発現の増加を認めた遺伝子のうち代表的なものには、caspase3(spot intensity : KL-/-50,野生型27)といったアポトーシス関連遺伝子、発生に重要なNotchシグナル系との関連遺伝子であるradical fringe homolog precursor(spot intensity:KL-/-83,野生型39)、activin receptor IIA(spot intensity:KL-/-35,野生型16)・activin receptor IIB(spot intensity:KL-/-34,野生型18)・MAD homolog 7(spot intensity:KL-/-22,野生型9)といったTGF-β family proteinとの関連遺伝子であった。 また、2週齢のKL-/-においてその発現の低下を認めた遺伝子のうち代表的なものには、serine protease inhibitor 2(spot intensity : KL-/-38,野生型 66)といったプロテアーゼインヒビター遺伝子であった。 klothoマウスにおいてみられる肺気腫の成因として、肺の構成細胞のアポトーシスや発生に関与する遺伝子群の異常、さらには肺を傷害より保護するためのプロテアーゼインヒビターの低下などが推察される。
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