2001 Fiscal Year Annual Research Report
Cre recombinese/lox Pシステムを応用した癌ターゲッティング
Project/Area Number |
13670600
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大崎 匡 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50324778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 和美 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
林 清二 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70218577)
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Keywords | 遺伝子治療 / 癌特異的治療 / 癌胎児性抗原 / Cre リコンビナーゼ / 二重感染法 / アデノウイルスベクター / ヘルペスウイルス・チミジンキナーゼ |
Research Abstract |
Cre/loxpシステムとCEAプロモーターを組み合わせて、腹腔内に播種したCEA産生癌細胞の特異的治療が可能か検討した。 作成した2種類のアデノウイルスベクター、ひとつはCre recombinase(Cre)をCEAプロモーターの制御下に発現するベクター(Ad. CEA. Cre)であり、もうひとつはlox P部位に挟まれた配列より、強力なプロモーターによる発現を阻まれたTK遺伝子をもつベクター(Ad. lox. TK)である。ヒトCEA産生癌LoVo細胞を腹腔内に移植し、腹腔内に播種した腫瘍結節を作成したマウスの腹腔内にAd. CEA. CreとAd. lox. TKを合計10^9pfu腫瘍移植後第9,15,21日目に腹腔内に同時に感染(二重感染)後、ガンシクロビル(GCV)100mg/kgを計15目間投与し、第35日目に腹腔内の腫瘍重量を測定した。二重感染法で治療した場合、10匹中4匹において腫瘍を全く認めなかった。その治療群の平均腫瘍重量は27.3mgであり、従来のCEAプロモーター単独のベクターによる治療群の平均腫瘍重量123.5mgの22%にとどまっており、有意に抗腫瘍効果が増強していた。一方、非特異的なプロモーター治療群では腫瘍重量も抑制していたが、10匹中2匹のマウスが下痢による体重減少のためが治療経過中死亡した。さらに血清トランスアミナーゼ値もコントロール群と比較して有意に高く、focalに肝細胞の壊死を認めた。二重感染治療群ではこれらの副作用を認めなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Goto T: "Gene therapy utilizing the Cre/loxP system selectively suppresses tumor growth of disseminated carcinoembryonic antigen-producing cancer cells"Int J Cancer. 94. 414-419 (2001)
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[Publications] 大崎 匡: "肺癌細胞特異的な遺伝子治療"分子呼吸病. 6(1). 51-53 (2002)