2002 Fiscal Year Annual Research Report
肉芽腫性肺疾患におけるCD13の発現機構の解明と治療への応用
Project/Area Number |
13670602
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
谷 憲治 徳島大学, 医学部, 助教授 (70207166)
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Keywords | 肉芽腫性肺疾患 / サルコイドーシス / CD13 / aminopeptidase N / bestatin / Tリンパ球 |
Research Abstract |
我々は膜結合型プロテアーゼであるCD13/aminopeptidase Nが、サルコイドーシスに代表される肉芽腫性肺疾患の他、特発性bronchiolitis obliterans organaizing pneumonia (BOOP)や過敏性肺炎(HP)、特発性肺線維症(IPF)などの病変肺に強く発現していることを見出した。さらに治療による疾患活動性の低下に伴って発現の低下がみられることや疾患活動性マーカーとの間に有意な相関がみられることを見出した。これらの成績はCD13/aminopeptidase Nの発現が間質性肺疾患の新たな活動性マーカーとして有用である可能を示唆する。さらに申請者はCD13/aminopeptidase Nがin vitroでTリンパ球に対する細胞遊走活性をもつことを見出し報告した。Tリンパ球に対する細胞遊走活性はCD8陽性細胞に比べてCD4陽性細胞に対して顕著であった。サルコイドーシスなどの肉芽腫性肺疾患を中心に間質性肺疾患におけるCD13/aminopeptidase Nの発現を免疫組織学的手法などを用いて検討した結果、肺組織においては病変部のマクロファージに強い発現がみられることを見出した。CD13/aminopeptidase Nに対する特異的阻害剤であるbestatinがCD13/aminopeptidase Nのリンパ球遊走活性や炎症性サイトカインの放出を抑制する作用も明らかにしており、CD13/aminopeptidase Nが間質性肺疾患におけるT細胞性炎症に関与することを示した。これらの成績は、CD13/aminopeptidase N阻害剤が、間質性肺疾患のリンパ球性炎症に対する治療薬として有用である可能性を示唆するものである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Huang L.: "Role of CD13/aminopeptidase N in rat lymphocytic alveolitis・・・"Radiat Res. 157. 191-198 (2002)
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[Publications] Shimizu T.: "CD13/aminopeptidase N Induced Lymphocyte Involvement in ・・・"Arthritis Rheum. 46. 2330-2338 (2002)
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[Publications] Dan H.: "CD13/aminopeptidase N in collagen vascular diseases"Rheumatol Int. (in press).