2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞死におけるグリアの功罪の解明(脳梗塞およびパーキンソン病モデルを用いて)
Project/Area Number |
13670627
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 宏之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60224531)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸山 泰人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30136428)
高橋 明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40301048)
荒木 勉 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80323038)
|
Keywords | 脳虚血 / 脳梗塞 / 神経細胞死 / パーキンソン病 / MPTP / ドパミン / ミクロダリア / アストログリア |
Research Abstract |
本研究では、神経細胞死におけるダリア細胞の役割を解明するために、脳虚血モデル・ラット、および、MPTPによるパーキンソン病モデル・マウスを用いて検討した。(1)脳虚血モデルはラットの2血管閉塞モデルを用いて10分間の前脳虚血を作成し、1日、2日、7日後に脳を潅流固定した。海馬レベルの切片を作成し細胞周期関連蛋白の免疫組織化学を行った。分裂細胞のマーカーであるPCNAは2日後をピークにミクロダリアで著明に発現し、次いで、7日後には神経細胞死の見られるCA1でミクロダリアの著明な増殖が観察された。細胞周期蛋白のcyclinD1およびcdk4も同様にミクロダリアに発現した。これらの白はアストログリアでは7日後にのみにわずかに発現し、増殖もわずかであった。神経細胞での発現は見られなかった。以上より、細胞周期関連蛋白の発現は神経細胞死に先行しておこりミクロダリア活性化に重要な役割を果たしているが、神経細胞死への直接の関連性は証明されなかった。(2)マウスにMPTP10mg/を1時間間隔で4回投与すると、3日後の線条体のドパミン含量は正常の22%に低下した。アストログリア機能調整薬ONO-2506をMPTP投与1時間、6時間、24時間、48時間後に投与すると、用量依存的にドパミン量の正常化が見られ、ONO-2506にドパミン神経細胞保護作用が確認された。線条体のアストロサイトはMPTP投与7日後に強く活性化されたが、ONO-2506投与群ではアストロサイトの活性化が早期に起こった。以上より、アストロサイトの活性化を調整して、神経細胞支持作用を賦活化することが神経細胞保護につながると考えられた。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Araki T, Kato H, et al.: "Neuroprotective effect of riluzole in MPTP-treated mice"Brain Res. 198. 176-181 (2001)
-
[Publications] 加藤宏之、荒木勉、他: "パーキンソン病モデルマウスにおけるNOS阻害薬とMAO阻害薬の脳保護作用"Prog Med. (In press). (2002)
-
[Publications] Kato H, Oikawa T: "The Neuronal Environment "Invasion of ischemic brain by immune cells""Humana Press. 401-417 (2001)
-
[Publications] Kato H: "Inflammation and Stroke "The role of microgliain ischemic brain damage""Birkhauser Verlag. 89-99 (2001)
-
[Publications] Kato H, et al.: "Maturation Phenomenon in Cerebral Ischemia IV "The role of immunophilin FKBP12 in cerebral ischemia""Springer-Verlag. 61-69 (2001)
-
[Publications] Oikawa T, Kato H, et al.: "Maturation Phenomenon in Cerebral Ischemia IV "Localization of macrophage migration inhibitory factor in the brain following focal cerebral ischemia in the rat""Springer-Verlag. 71-76 (2001)
-
[Publications] 加藤宏之: "別冊・医学のあゆみ、脳血管障害-臨床と研究の最前線「虚血と細胞周期」"医歯薬出版. 239-242 (2001)