2001 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症の治療薬としてのgalectin―1の可能性に関する研究
Project/Area Number |
13670629
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
加藤 丈夫 山形大学, 医学部, 教授 (90194828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 秀典 早稲田大学, 先端バイオ研究所, 教授 (80046135)
後藤 薫 山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / ガレクチン-1 / 運動ニューロン疾患 / 酸化型ガレクチン-1 / 還元型ガレクチン-1 |
Research Abstract |
1.ヒト脊髄のgalectin-1は酸化型か、還元型か? : galectin-1は酸化型か、還元型かにより機能が異なるので、ヒト脊髄組織中のgalectin-1が酸化型か、還元型かの鑑別は重要である。ヒト脊髄組織を通常の方法でホモジナイズしSDS-PAGE/Western blottingすると、酸化型(移動度大)および還元型(移動度小)の両方のgalectin-1が検出できた。一方、ホモジナイズ用緩衝液にN-ethylmaleimide(10mM)を加え、システインのSH基をブロックしておくと、還元型galectin-1に相当するバンドが優勢になった。したがって、脊髄に存在するgalectin-1はの還元型優位であると結論した。 2.酸化型recombinant human galectin-1にはラット中枢神経培養細胞の生存促進作用・突起伸長作用があるか? : ラット海馬神経細胞(Po-Pl)およびラット小脳顆粒細胞(P7まで)のprimary cultureを用いて検討した。10^<10>mlの神経細胞をシャーレに蒔き培養すると、神経細胞は約3週間生存する。培養シャーレに酸化型recombinant human galectin-1(rh galectin-1)を加え、添加群と非添加群との間で神経細胞の生存期間、神経突起の伸長の程度などを比較した。その結果、添加群と非添加群の間で神経細胞の生存期間、神経突起伸長の程度には有意な差はなかった。また、rh galectin-1の投与濃度を5,50,100,500および1000pg/mlとし、濃度依存性があるかどうか検討したが、有意な差はなかった。このことより、rh galectin-1は中枢神経には直接的な作用はないと推定された。
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Research Products
(1 results)