2001 Fiscal Year Annual Research Report
Stiff―man症候群の病態生理の検討:gephrinの局在と臨床的意義
Project/Area Number |
13670630
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
林 明人 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60180957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大越 教夫 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80203751)
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Keywords | Stiff-man症候群 / 抗gephyrin抗体 / 傍腫瘍性Stiff-man症候群 |
Research Abstract |
Stiff-man症候群の神経免疫学的検討 GABA-AおよびGlycine作動性の抑制神経回路に関与するgephyrinに対する抗体の有無について,申請したwestern blot用試薬を用いて,対象者の血清での検出方法を検討した. 対象:筑波大学神経内科で臨床的にStiff-man症候群と診断され,Stiff-man症候群で約60%に認められる抗GAD抗体陰性の患者5例の血清. 方法:1.ドットプロットによるスクリーニング法の検討 ラット脳からの蛋白抽出液をナイロンメンブレンにドット状に吸着させ患者血清と反応後,抗ヒトIgG抗体,ECL法を用いて患者血清中のgephyrinに対する抗体の有無を検討した. 2.western blot法による検討 ラット脳からの蛋白抽出液を用いてlaemmli法によるwestern blotを行い,患者血清を1次抗体(1/1000から1/5000)としてECL法でgephyrinに対する抗体の有無を検討した. 結果:1.ドットブロットでは種々の蛋白濃度および患者の血清濃度を試みたが,バックグラウンドが高いため判定が困難で,スクリーニング法として不適切と考えられた. 2.Western blot法ではgephyrin抗体を有する傍腫瘍性Stiff-man症候群の患者血清を用いた場合,抗gephyrin抗体を用いたのと同じ93kDにバンドが検出された.他の4例の患者では93kDのバンドは検出されなかった.Stiff-man症候群を発症後約1年後に乳ガンを発症した患者では125kDにバンドが検出された. 考察:Stiff-man症候群患者のgephyrinに対する抗体の検出法を検討し,western blot法が有用であることを明らかにした.他の4例ではgephyrinに対する抗体は検出できなかったが,1例で125kDに新たな抗体の存在が示唆された.今後,免疫沈降法による検討を予定している.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Butler MH.: "Autoimmunity to gephyrin in stiff-man syndrome"Neuron. 26. 307-312 (2000)
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[Publications] Hayashi A.: "Doublefiltration plasma exchange and immunoadsorption therapy in a case of stiff-man syndrome with negative anti-GAD antibody"Journal of Medicine. 30. 321-327 (2000)
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[Publications] 原田祐輔: "縦隔腫瘍を合併し,頭頸部と下肢に著明な反射性ミオクローヌスをみとめたstiff-man症候群の1例"臨床神経学. 39. 1025-1028 (1999)