2001 Fiscal Year Annual Research Report
ギラン・バレー症候群を惹起するインフルエンザ桿菌の外膜糖質構造の特徴
Project/Area Number |
13670631
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
服部 孝道 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30114317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 公俊 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60164703)
桑原 聡 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70282481)
森 雅裕 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
関 宏子 千葉大学, 分析センター, 助手 (60114245)
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Keywords | ギラン・バレー症候群 / インフルエンザ / 糖脂質 / リポ多糖 |
Research Abstract |
インフルエンザ杆菌がギラン・バレー症候群の先行感染因子となりうるか、またそうであればインフルエンザ杆菌感染後ギラン・バレー症候群の臨床的特徴は何かを明らかにするために、まずギラン・バレー症候群患者46例中の急性期血清中の抗インフルエンザ杆菌抗体を測定し、6例(13%)の陽性者を認めた。これは正常対照に比し有意に高頻度であり、インフルエンザ杆菌がギラン・バレー症候群の先行感染因子の一つと考えられた。その6例のインフルエンザ杆菌後ギラン・バレー症候群患者の臨床的特徴として、感覚障害・脳神経障害が少なく、電気生理学的には一次軸索障害を示し、血清中の抗ガングリオシド抗体陽性が多いこと、さらにその機能予後が比較的良いことを認め、以上を論文にまとめ報告した。 その後、インフルエンザ杆菌上にGM1様のエピトープが存在するかという点に関し、以下のような検討を加えた。(1)ギラン・バレー患者のうち先行感染症状が呼吸器症状の者に対し、喀痰・咽頭培養を行い、そのうち6人からインフルエンザ杆菌を分離しえた。分離されたインフルエンザ杆菌を保存し、そのリポ多糖をHot-phenol法で抽出した。(2)抽出したリポ多糖を薄層クロマトグラフィーにて展開する段階に達し、それにレゾルシノールによる化学染色を行ったところ、すべてのインフルエンザ杆菌のリポ多糖で、糖質構造と考えられる数本のバンドが見出された。(3)精製リポ多糖のNMRを用いた構造解析の準備として製品のGM1を用いてNMR解析を行い、目的とするピークを得た。(4)臨床症状との対応を解析し、早期に回復するギラン・バレー症候群とインフルエンザ杆菌の先行感染に関連があることを論文にまとめた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kuwabara S: "Intravenous immunoglobulin therapy for Guillain-Barre syndrome with IgG anti-GMI antibody"Muscle Nerve. 24. 54-58 (2001)
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[Publications] Kuwabara S: "Mechanism of early and late recovery in acute motor axonal neuropathy"Muscle Nerve. 24. 288-291 (2001)
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[Publications] Misawa S: "Serum levels of tumor necrosis factor-α in chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy"Neurology. 56. 666-669 (2001)
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[Publications] Kuwabara S: "Indicators of rapid clinical recovery in Guillain-Barre syndrome"J Neurol Ncurosurg Psychiatry. 70. 560-562 (2001)
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[Publications] Mori M.: "Clinical features and prognosis of Miller Fisher syndrome"Neurology. 56. 1104-1106 (2001)