2002 Fiscal Year Annual Research Report
コレステロール代謝とアミロイドβ蛋白:Niemann-Pick病への着目
Project/Area Number |
13670632
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山崎 恒夫 群馬大学, 医学部, 講師 (80200658)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 / ニーマンピック病 / コレステロール |
Research Abstract |
アミロイドβ蛋白(Aβ)とタウ蛋白の脳内沈着はアルツハイマー病を特徴づける重要な所見だが、、両者の存在が単なる合併なのか、あるいは何らかの関連が有るのかは不明であった。ニーマン・ピック病タイプC(NPC)はNPC遺伝子に変異を持つ遺伝性神経変性疾患であり、興味深いことに神経細胞内にアルツハイマー病と全く同じタウの沈着が生じる。NPCのもう一つの特徴は細胞内、特に後期エンドソーム内にコレステロールが沈着することであり、これがNPCの本態と考えられている。近年、アルツハイマー病とコレステロールの関連が想定されつつあり、私はNPCに見られるコレステロール輸送異常機構がいかにタウの沈着に結びつくか、またAβの異常とも関係があるのかを検討することとした。まずAβを産生するCHO細胞にType2 amphiphileを作用させ、NPCと同様にコレステロールを細胞内に蓄積させた。次に、コレステロールを蓄積する後期エンドソームを細胞分画法によって集め、生化学的に解析したところ、Aβが同じ画分に凝集していることが判明した。そこで、後期エンドソームをセルソーターによって集め解析すると、やはりAβの凝集が明らかとなった。このエンドソーム内へのAβの蓄積はコレステロールの蓄積量に依存していた。一方、Runzらは同様の処理を細胞に行い、エンドソーム内にAβの産生酵素を検出した。これらの事実は、後期エンドソームがAβの産生部位の一つであることを示すとともに、コレステロールの輸送異常はタウ並びにAβの細胞内蓄積を生じさせ、このことがアルツハイマー病の病態発生に関与している可能性が考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yamazaki, T., Chang, T.-Y., Haass, C., Ihara, Y.: "Accumulation and aggregation of amyloid β-protein in late endosomes of Niemann-Pick type C cells"J. Biol. Chem.. 276. 4454-4460 (2001)
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[Publications] 山崎恒夫, 井原康夫: "アルツハイマー病における神経細胞死"実験医学. 19. 1768-1771 (2001)
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[Publications] 山崎恒夫, 岡本幸市: "コレステロールはAlzheimer病の発症に関与しているか?"Current insights in Neurological Science. 10. 10-11 (2002)