2001 Fiscal Year Annual Research Report
ドミノ肝移植後のアミロイド惹起性トランスサイレチンの代謝動態に関する研究
Project/Area Number |
13670638
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
武井 洋一 信州大学, 医学部, 助手 (90273086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 修一 信州大学, 医学部, 教授 (60135134)
徳田 隆彦 信州大学, 附属病院, 講師 (80242692)
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Keywords | 家族性アミロイドポリニューロパチー / 肝移植 / ドミノ移植 / トランスサイレチン / モノマー |
Research Abstract |
平成13年度にFAP患者に対する肝移植は3例施行し、うち2例がドミノ移植となった。1993年以来現在までに我々がFAP患者に対して施行した肝移植は生体部分肝移植18例、脳死移植1例となった。また現在までにドミノ移植を4例施行した。ドミノレシピエントとなった患者はいずれも40歳以上の肝硬変、肝細胞癌患者であり、十分なインフォームドコンセントを行った上で肝移植を施行し、移植後の経過は良好である。これらのドミノレシピエントについては術後定期的に全身状態、臨床データを記録し、さらに術前から経時的に血清を採取保存した。ドミノレシピエントでは肝移植後数日で血清中変異トランスサイレチンが検出され、移植肝ではアミロイド前駆体蛋白である変異トランスサイレチンが産生されていることが示された。アミロイド沈着に関しては、腹壁脂肪吸引生検を定期的に施行し、経時的に観察しているが、現在までに組織へのアミロイド沈着を認めた症例はない。今後も定期的に観察していく予定である。平成14年度も肝移植およびドミノ移植を予定している患者が数例おり、これらの患者についても術後の定期的に観察する予定である。FAPキャリアー、肝移植を施行したFAP患者、ドミノレシピエントの血清が経時的に保存されているが、今後これらの血清のトランスサイレチンの蛋白生化学的な性質を明らかにする予定である。特にトランスサイレチンモノマー分画について、FAP患者およびドミノレシピエントでの変異トランスサイレチンモノマーと正常トランスサイレチンモノマーを比較検討する予定である。
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