2002 Fiscal Year Annual Research Report
心不全における生体リズムの内的脱同調に関する実験的・臨床的研究
Project/Area Number |
13670697
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
麻野井 英次 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (00150128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 修太郎 富山医科薬科大学, 保健管理センター, 講師 (50146586)
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Keywords | 心不全 / テレメトリ / 精神ストレス / 生体リズム / コヒーレンス解析 / 伝達関数 / β受容体機能 |
Research Abstract |
1)正常ラットおよび心筋梗塞心不全ラットにおいて、種々のストレスに対する循環システムの応答と時間構造の解析を行った。体内埋め込み型テレメトリシステムを用いた血圧波形と、赤外線ビームセンサーを用いた身体活動量の信号を同時にコンピュータに1000Hzで2日間連続収集した。身体活動量と心拍・血圧相互の時間的連携を動的システムとしてパラメトリックモデルによりモデル化した。さらに、コンピュータによる駆動装置を用いイソプロテレノール負荷を一時間ごとに24時間繰り返し、心拍応答からβ受容体の概日リズムを評価した。日を代えて低酸素および精神的ストレスを一時間ごとに24時間繰り返し、これに対する血圧・心拍応答からストレス過敏性の概日リズムを検討した。健常ラットおよび心不全ラットとも、早朝覚醒直後においてβ受容体反応性やストレスに対する循環反応が大きく、覚醒時間の延長とともにこれらの反応は減少し順応することがわかった。長時間作用型のアンジオテンシンII受容体拮抗薬の前投与により、これらの過大反応は抑制された。 2)心不全患者において、加速度センサの信号と酸素摂取量との相関から、身体活動量を定量する方法を開発した。これを心電図信号と同時記録することにより、ヒトで24時間の活動量と心拍数の経時的変化を同時系列信号として取り出すことに成功した。身体活動量から心拍応答をモデル化し伝達関数の概日リズムを解析した。この結果、同程度の活動量に対する心拍反応の利得は、夜間と早朝で最も大きく午後に向かって減少した。 今回の身体活動、β受容体機能、およびストレスに対する循環応答の概日リズムの成績は、循環器疾患や心事故の予防において、どの時間帯に何に介入すべきかについて理論的示唆を与える。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Joho S, Asanoi_H, Takagawa J, Kameyama T, Hirai T, Nozawa T, Umeno K, Shimizu M, Seto H, Inoue H: "Cardiac sympathetic denervation modulates the sympathoexcitatory response to acute myocardial ischemia"J Am Coll Cardiol. 39. 436-442 (2002)
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[Publications] Joho S, Asanoi H, Ishizaka S, Kameyama T, Inoue H: "Disparate force-frequency effects of pimobendan and dobutamine in conscious dogs with tachycardia-induced cardiomyopathy"J Card Fail. 8. 423-430 (2002)
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[Publications] Joho S, Asanoi H, Sakabe M, Nakagawa K, Kameyama T, Hirai T, Nozawa T, Kotoh K, Misaki T. Jinbo M. Inoue H.: "Long-term usefulness of percutaneous intrapericardial fibrin-glue fixation therapy for oozing type of left ventricular free wall rupture : a case report"Circ J. 66. 505-706 (2002)
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[Publications] 麻野井英次: "ピモベンダンの作用機序-交感神経活動への影響"医薬ジャーナル. 38. 129-133 (2002)
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[Publications] 麻野井英次: "経口強心薬(PD阻害薬)"総合臨床. 5. 768-771 (2002)
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[Publications] 1.和泉徹, 麻野井英次, 小玉誠 編: "入退院を繰り返す慢性心不全の臨床"医学書院. 209 (2002)