2001 Fiscal Year Annual Research Report
成人心筋細胞におけるアポトーシス・シグナル伝達機構の特異性の解明
Project/Area Number |
13670700
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
竹村 元三 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (40283311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 久義 岐阜大学, 医学部, 教授 (80115930)
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Keywords | アポトーシス / 心筋細胞 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
成人心筋細胞は量的な問題からNorthanならびにWestern解析に困難を伴ったため、今年度は新生児マウス心から単離した培養心筋細胞を使用した。新生児マウス培養心筋細胞にアゴニストFas抗体(FA)と転写阻害剤であるアクチノマイシンD(AD)を低濃度添加することにより特徴的な超微形態、DNA断片化を伴う典型的なアポトーシスが誘導された。FAとADを同時に投与されたモデル(FA+AD)において、Fas,Bax,caspase-3のmRNAあるいはタンパクレベルでの過剰発現,c-Jun N-terminal kinase(JNK),caspase-3の活性化,inhibitor of caspase-3dependent Dnase(ICAD)の不活性化がみとめられた。これらの現象はFAあるいはAD単独では生じなかった。しかしながらJNKの阻害物質であるmitogen-activated protein kinase phosphatase-1(MKP-1)のmRNAの過発現が、FA単独投与の場合にのみ認められ、この過発現はFA+ADでは抑制された。Fas誘導性アポトーシスではFasの下流に2つのシグナル伝達経路、すなわちclassic pathwayとalternate pathwayがしられており、JNKは後者における重要な分子である。今回の知見から、心筋細胞のFas誘導性アポトーシスにおいてはalternate pathwayが主要経路であること、Fas刺激はJNK活性化を通じてアポトーシスを促進する一方、JNK阻害効果を有するMKP-1をも過剰発現させてアポトーシスを抑制するという相反する作用を有し、AD添加はMKP-1過発現を抑制することでalternate pathway経由のFas誘導性アポトーシスを促進することが示唆された。MKP-1あるいはJNKのアンチセンスを用いてこれらタンパクの機能的役割を検討することで上記仮説を確定すること、caspase-8の活性化をみることでClassic pathwayの関与の程度を決定すること、を現在行っている。
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